みのもんたさん(69)の降板後、新体制で再スタートした「朝ズバッ!」(TBS系)に「アンカー」というポジションが導入された。日替わりで登場する出演者のことで、コメンテーターとしてだけでなく、井上貴博アナウンサー(29)らとともに番組の進行にも加わる。
初日の2013年11月25日にはラサール石井さんが出演し、その後もやくみつるさん、大和田獏さんと続いている。ところが本人たちも慣れないせいもあってか、「独自の切り口でニュースをズバズバ切る」には程遠い。インターネット上ではさっそく不評の嵐だ。
ラサール石井、失言恐れて「当たり障りない感じで」
11月25日の放送で、井上アナは「朝ズバリニューアル第2弾ということで、今日からいくつか新しいコーナーが始まります」と告知した。中でも、一番の目玉と位置づけたのが、毎日日替わりで登場する「アンカー」だ。ラジオやテレビのニュース番組のメーンキャスターを指す「アンカーマン」をイメージしたポジションのようで、CM明けの5時55分から「アンカーが斬る けさのイチオシ」というコーナーとともに出演する。扱うニュースはその日のアンカーが選んだもので、井上アナは「さまざまなニュースを独自の切り口でズバズバ切っていただきます」と紹介した。
記念すべき初日のアンカーはタレントのラサール石井さん(58)が担当した。ラサールさんは朝ズバの前番組「ウォッチ!」で04年から1年間、メーンキャスターを務めていたことがあり、「あれから8年たちまして、まさか帰ってくるとは夢にも思っていなかった」と感慨深げに話す。初日から「失言」するわけにはいかないとして「今日は当たり障りのない感じでやります」と後ろ向きな宣言とともにスタートした。同コーナー出演後もコメンテーターや進行の一端を担い、「その日の顔」として一緒に番組を作っていく。
井上アナを中心に進行するスタイルが定着してきた中での突然のリニューアルに、25日の放送後にはインターネット上でもさっそく驚きの声があがった。ラサールさんへの意見は厳しいものが多く「朝からラサール見たくねえよ・・・」「なんかガチャガチャ感があって、朝から不愉快」などと嫌がる視聴者の投稿が目立った。
「純粋にニュースのみ客観的に知りたいのだけど・・・」
初日の悪評の中、2日目の出演者に注目が集まった。しかし「日替わり」といいながら、なぜか翌日もラサールさんが登場。ラサールさんは「ツイッターにいろいろ書いてありました。朝から井上さんの声を聞こうと思ったら両津勘吉(編注:漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公)みたいなダミ声が聞こえてきて、よくみたらチンチクリンのデブがいたって。せっかく若返ったのに、またオヤジかとか言われまして」などと自虐なコメントでいじけてみせた。
出演するアンカーらからも戸惑う様子がうかがえる。3日目に登場した漫画家のやくみつるさん(54)は「しっかしほぼ打ち合わせゼロに近いですねこのポジションは。こんなに緊迫した生スタジオは初めてですね」と漏らし、ズバズバ切ることもないまま番組は終了した。4日目を担当した、司会経験もある大和田獏さん(63)は気負っている感があり、「赤ちゃん取り違え」の事件を取り上げた際には、同様の事件を題材にした13年秋公開の映画「そして父になる」の結末の「ネタばらし」をしてしまう一幕もあった。
こうした状況からネット上では、放送を重ねるにつれて批判的なコメントが増えている。「朝ズバのアンカー制度は、いかにも丸投げ風味でTBSらしいな」「早朝だとこんなのしか出演する人いないの?」「自局のアナと解説陣でいいんじゃないかな。変な解説は要らないし純粋にニュースのみ客観的に知りたい」「これは次世代みのもんた公開オーディションなのだろうか。つまり、好評だった人が生き残る…的な」など、さまざまな声があがる。
また、「『今ひとつ』なおじさんアンカー数人を叩き台又はつなぎに『やはりあのヒトが』とドヤ顔のみのさんが戻る悲劇の始まりかと思う」「『何か』置いといて、ほとぼり冷ましてから『あのヒト』を戻すおつもり何じゃないかと、今からうんざり」といった、みのさん復活の「布石」といううがった見方まで出ている。