「東京モーターショーと同じ時期に広州でもロサンゼルスでも自動車ショーが開幕した。世界の自動車業界にとって結構なことではないですか」
日本自動車業界会長の豊田章男トヨタ自動車社長は2013年11月22日、第43回東京モーターショー2013」の公式開幕を祝うレセプションの合間に、東京モーターショーの地盤沈下を尋ねた私にこう答えた。
「自動車が好きなことを隠す必要など全くない。笑顔笑顔でモーターショーを祝おうではないですか」
開会あいさつではこう強調、リーマンショックや大量リコール、東日本大震災を乗り切り、大幅な利益改善を追い風に満面の笑顔を見せた。「若者の自動車離れ」が指摘され、米ビッグスリーが参加を見送る中での東京モーターショーだが、トヨタ、日産自動車、ホンダなど日本メーカーはハイブリッド車(HV)や、電気自動車(EV)、「燃料電池車(FCV)の新モデルを出展し、エコと走りの楽しさを競って演出した。
「欧州の部品業界にとってもまたとないビジネスチャンス」
「日本にはトヨタ、日産、ホンダという世界の大手3社がいる。その有力社が演出する東京モーターショーは素晴らしい。欧州の部品業界にとってもまたとないビジネスチャンスだ。少子化などで日本の将来市場が暗いと言っても、日本のビッグスリーはどんどん世界に出ている。部品メーカーにとっては日本メーカーを相手にすることは非常に重要だ」
開幕式に居合わせた欧州自動車部品工業会=CLEPA(ヨーロピアン アソシエーション オブ オートモーテイブ サプライヤーズ)のジャン・マーク・ゲール会長も日本の自動車メーカーの躍進に期待を寄せる。21日に広州モーターショー、22日にロサンゼルスモーターショーが始まり、東京モーターショーの存在がひところより薄れた感じだが、年間販売台数2000万台を超えた中国市場をはじめ、米国市場の回復もあって、当事者は笑顔、笑顔で対応していた。
長谷川洋三