数人の見知らぬ日本人とも「親戚」だった
酒井崇匡さんが利用した遺伝子検査サービスには、遺伝情報の開示を許諾すると、利用者内で血縁関係が近い人を教えてくれる仕組みがあった。「DNAによる親戚」を検索できるシステムで、許諾すると5代くらい前で分かれたと思われる日本人が数人、見つかった。
いずれも見知らぬ日本人だったが、さらには米国人からも「親戚」申請があった。
「まさか米国人から親戚申請が届くとは思ってもいませんでした。最初は半信半疑でしたが、他に見つかった日本人の『親戚』よりも、彼(米国人)との遺伝的な共通率の方が高かったですし、彼に日本人の祖母がいることもわかった」
酒井さん自身、米国人から教えてもらった情報と祖母の名前を頼りに家系を探ってみたが、かなり遠縁なので、その時は見つけることができなかったという。
「遺伝情報を元に他者との関係性を探る、という利用の仕方は自ら主体的に血縁を探れるようになるので、よいことだと思います。自分が受け継いでいる大きな物語を知ることは、世界観を豊かにしてくれるはず。自分のルーツに興味があるのでしたら、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか」
もちろん、一方で知りたくなかった血縁関係まで発覚してしまうなどのリスクがある。