もう中国市場でも、韓国企業の業績は上がらないかも…
前出の第一生命経済研究所の西濱徹氏は、「韓国経済のけん引役だった中国が2012年来、減速したことは韓国経済にとって景気の下押し圧力になりました」と指摘。最近、その中国経済が回復の兆しにあるが、「その中国も国内メーカーが力をつけてきていますから、韓国勢もこれまで通り(業績を伸ばせる)というわけにはいかないでしょう」と、厳しい状況に変わりないとみている。
もちろん、「ウォン高」も痛い。日本の輸出企業はウォン安の影響で価格競争力を失い、大きな痛手を負ったが、それが1年ほど前に円安に反転して以降、「立場」が逆転した。
韓国の経済団体が12年に輸出企業に対して行ったアンケートによると、輸出で利益を確保できる為替レートは「1ドル1086ウォン」という。すでに、それを上回るウォン高水準にある。
韓国の財閥専門サイトの財閥ドットコムのまとめによると、資産規模が上位10位以内の財閥グループの上場企業83社の2013年第3四半期の営業利益は合計で36兆3500億ウォン(約3兆4440億円)。前年同期に比べて4.7%減った。
好調が伝えられる最大手のサムスン電子でも、主力のスマートフォンが中国メーカーなどとの低価格競争に突入しており、収益低下が懸念されている。