10代の利用率90%のLINE、40~60代ではフェイスブック優勢
フェイスブックが10代利用者を減らしたと指摘された時期は、「メッセンジャーアプリ」が存在感を高めた時期と重なる。日本発のLINEが代表格だ。2012年7月には利用者数が世界で5000万だったが、2013年1月には1億、7月には2億人、11月25日には3億人を突破した。1年4か月で6倍に膨れ上がった計算だ。
運営会社が発表しているLINEアプリの年齢別ユーザー属性をみると、12~19歳は13.6%と格別割合が大きいわけではない。しかし、他のSNSとの利用度を比較すると、10代ではLINE優勢がはっきりする。ブランドコンサルティング会社リスキーブランドが2013年7月24日に発表した調査結果のうち、同年5月時点での年齢階層別SNS活用率では、15~24歳ではLINEが最も高く28.6%、フェイスブックは数値が出ていないが、グラフから読み取る限り15%程度にとどまっている。
調査会社ニールセンが5月28日に発表したデータも興味深い。スマートフォンでどのようなアプリ、ウェブサイトを利用しているかを調べたものだが、10代での首位はLINEで、利用率は90%に達する。これはグーグルの検索利用の85%を上回る数字だ。トップファイブにフェイスブックは入っていない。
海外でも似たような現象が起きている。米CNN電子版は11月7日付の記事で、ビデオクリップアプリ「スナップチャット」などを愛用する女子高生を取り上げ、「フェイスブックで何百人もの友人を相手に発信するよりも、仲間内で直接コミュニケーションができるこうしたツールの方が好まれるという」と紹介した。11月12日付の米誌「フォーブズ」電子版は、急速に利用者を増やしているアプリの例としてメッセンジャーアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」や中国発の「WeChat(ウィーチャット)」などを挙げた。
先のリスキーブランドの調査結果で、LINEとフェイスブックの活用率は35~44歳で拮抗するようになり、45~54歳はほぼ同率、55~64歳ではフェイスブックが上回る。国内でフェイスブックを支えているのは中高年というわけだ。一例として2013年4月10日付「日刊SPA!」では、フェイスブックの楽しさを説く複数の40代男性の喜々とした感想が描かれていた。
LINEなど他のサービスに若者が「流出」し続けると、フェイスブックはますます中高年のSNSになるかもしれない。