「100円ショップ」が出店攻勢 消費増税による消費者の節約志向見込む

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   かつて雑貨の価格破壊を引き起こし、デフレの象徴といわれた「100円ショップ」が出店攻勢をかけている。

   2014年4月からの消費増税で節約志向が強まるのではないか、というわけで、大創産業やセリア、キャンドゥ、ワッツの大手4社で14年度に2~3割程度増やす予定だ。

ダイソーは2013年度も140か店程度を出店

「100円ショップ」が出店攻勢をかけている!(画像は、「ダイソー」のホームページ)
「100円ショップ」が出店攻勢をかけている!(画像は、「ダイソー」のホームページ)

   「ダイソー」を展開する、最大手の大創産業は、2013年度中に140店舗程度を出店する予定だ。10月末までに75店を出店。同社の場合、とくに出店予算を設けておらず、「ここ数年同じくらいのペース(140か店)で出店しています」という。

   「まだまだ商品をお届けできていない地域があり、その地域に出店していきたいと思っています」と、空白エリアを埋めていく考え。最近では商業地だけでなく、オフィス街にも出店していて、なお出店余地はあるとみている。

   JASDAQに上場する「セリア」は、2013年4~9月期に38か店が純増。ほぼ計画どおりで、9月末の店舗数は1142か店(うち直営店1055店)となった。13年度中に、前年度比3割増の90か店の出店を目指す。

   「キャンドゥ」は8月末(12年12月1日から)までに、新ブランドの25か店を含む48か店を出店。純増で24か店となり、店舗数は851店舗。14年度には2割増やす予定とされる。

   「ミーツ」「シルク」を展開するワッツは、店舗面積が約230平方メートルと他社より小型の店舗を開発。スーパーやショッピングセンター内にテナント出店して店舗網を広げてきた。8月期決算(12年9月1日~13年8月31日)によると、自前で56か店を純増したが、6月にはM&Aで23店舗を増やし、全体では901店舗を展開する。

   同社は「インショップ型の小型店舗を、継続して多く出店する」計画で、毎年約100店舗を積み増していくという。

「おしゃれ雑貨屋」に変貌、品質にもこだわる

   デフレ経済の長期化で消費者にすっかり定着した「100円ショップ」だが、最近はスーパーやコンビニエンスストアのプライベートブランド(PB)が台頭。消費者は安くても必要なものでなければ買わなくなっていて、「100円」の優位性は薄らいでいる。店舗も飽和状態と思われていた。

   そこで「100円ショップ」は、ショッピングセンターなど、集客力の高い大型商業施設への出店強化や、おしゃれな店づくりや雑貨などを取り揃え、商品の質にもこだわるようになった。

   キャンドゥは「おしゃれ雑貨屋」のイメージを打ち出し、2013年8月末までに68か店をリニューアルした。その一方で、創業20周年を記念した商品やPBの「Do!STARS」を展開することで、店舗と商品が一体となった新ブランド展開している。割安感を維持しつつ、買い物を楽しめる場を提供することが不可欠と考えているようだ。

   また、セリアは「量より質の100円ショップ」を標榜して、他の100円ショップに先がけ全店にPOSシステムを導入。それにより発注業務の大幅な効率化と消費者ニーズに即した品揃えを実現し、売り上げを伸ばしてきた。消費増税後は、消費者の節約志向が高まる一方で、品質への要求も一段と高まると予測する。

   消費増税について、大創産業は「基本的に外税(表示)ですが、どのような影響が出るかは正直わかりません。ただ、お客様に対して、いくらが消費税かわかりやすいのはこの業界の特徴ともいえます」と話しており、消費増税による影響は受けにくいとみている。

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