金融面では世界「81位」
制裁の方法については「韓国からの融資引き揚げ」「ウォン買い」「資本財の輸出拒否」など意見が分かれるが、いずれも「経済」が韓国の弱点と見ていることは確かだ。
一時は「日本を追い抜いた」とも言われた韓国経済だが、ここ最近は国際競争力ランキングでも順位を落とすなど(2013年は6ランクダウンの25位。日本は9位。世界経済フォーラム)、順調さを欠いている。特に金融面では世界81位と、他の産業の足を引っ張る有様で、国内では「みすぼらしい競争力」(中央日報)との嘆きさえ聞かれるほど。また輸出依存の高い経済状況、サムスンを除く財閥各社の経営不振など「不安材料」は少なくない。これを突けば韓国も「泣いて謝罪する」というのが制裁論者の主張だが――
こうした議論は韓国側の耳にも届いており、現地メディアはいらだち交じりで報じている。たとえば大手紙・朝鮮日報では、サムスン関係者による「日本の資金には全く依存していない」という反論を掲載し、日本による融資引き揚げについても、「欧米に借入先を変更すればよい」「政治的な論理で資金を一気に引き揚げることはないはずだ」と反論する。
やはりソウル経済では、日本からの投資は米国などに比べても少ないことを挙げ、実行されても影響は小さいと論じている。また「ウォン高」策も、「日本の損害が大きすぎる上に、被る国際的批判は見当もつかない」(金融関係者)と否定的だ。「できっこない」「他国が黙っちゃいない」といささか他人頼み気味ではあるが、なかなか強気に見える。
しかし、同じくソウル経済は、「とはいえ……」と不安も覗かせる。
「国際的な金融不安などの機に乗じられれば、影響は大きくなるかもしれない」
韓国・イーデイリーも、日本側の主張を「ありえない!」と全面否定しながらも、「日本の経済規模は我が国より5倍も大きいし、ITなど主要産業で部品を日本に依存している。経済制裁論は無視できない」と警戒心露わだ。