輸入コスト、価格転嫁しづらくなると…
輸入家具も値上げ。大塚家具は円安の影響で、2013年4月に実施した約4500品目の値上げに続き、約4400品目の輸入家具を6月から7月にかけて、最大20.6%値上げした。
イタリアや米国、ドイツ、デンマークなどの、ソファやテーブル、ベッドフレーム、マットレスに羽毛布団などが対象。4400品目のうち、約2800品目は再値上げだった。
円安効果で、多くの輸出企業は利益増に沸いている。しかし、輸入企業はもう喜べない。ワインや自転車、家具のように、輸入コストを価格に転嫁できるうちはいいが、値上げが売れ行きに響き、価格に転嫁しづらくなってくるからだ。
すでに「兆し」はある。帝国データバンクの「輸入企業の実態調査」で、輸入企業のうち、年商「1億円未満」の零細企業の約4割が赤字であることがわかった。このまま急速な円安が進めば、「体力のない中小の輸入企業は原材料価格や輸送コストの高騰を商品価格に転嫁できず、より一層の収益悪化が懸念される」とみている。
中小企業は大手企業と比べて価格転嫁がむずかしい。同社は「負担増に耐えきれずに行き詰まる『円安倒産』が今後相次ぐ可能性は十分ある」と指摘している。