あのブッシュ前大統領(67)が、「画家」に転身したらしいとの情報が、海の向こうから伝わってきた。
9・11後、「対テロ戦争」を繰り広げ世界中の毀誉褒貶を集めた男は、今は絵筆と愛犬を友とする平穏な日々を送っているとのことだ。
「人生が変わった」というほどのめりこむ
「今のボクの職業は、画家なんだよ。……少なくとも、ボクはそう思ってる」
CNNのトーク番組に出演した「前大統領」ブッシュ氏は、冗談とも本気ともつかぬ表情でそう語り、会場をどっと笑わせた。
政権を降りて4年余り。同時多発テロ事件、アフガニスタン侵攻、イラク戦争――2期8年にわたり世界に「米国の正義」を押し通したかつての大統領は、地元のテキサス州で悠々自適の「隠居生活」を過ごしている。「8年でもう十分だよ。スポットライトを浴びることも、懐かしいとは思わない」とは当人の弁だ。
そんなブッシュ氏が、新たな趣味として出会ったのが絵画だという。4月のインタビューでも「人生が変わった」と語るほど、すっかりのめりこんでいるとか。
いったいどんな絵を描いているのだろうか。絵の「師匠」であるボニー・フラッドさんは米FOXテレビの取材に、その作品のいくつかを紹介している。特に多く手掛けるのは、大好きだという「犬」の油絵だ。それも小型犬のものが目立つ。繊細――という感じではないが、愛らしさの伝わってくる作品だ。
「将来は立派な『芸術家』として名を残すかも」
このほかメディアが紹介するところでは、猫、風景、静物、そして「自画像」にも挑戦している。風呂場でシャワーを浴びている後ろ姿という、ちょっと変わったものだ。上記のトーク番組出演時には、司会者に自ら描いた肖像画もプレゼントした。
師匠のフラッドさんは、「すごい情熱よ。将来は立派な芸術家として、歴史に名を残すかも」と太鼓判を押す。CNNも有名批評家のジェリー・サルツさんの、
「ブッシュ前大統領は政治的に嫌いなので正直ショックなんだが、彼の絵のいくつかは結構好きなんだ。その風変わりさ、そして自分の個人的な世界を描こうとしているところが良い」
との評を掲載している。
他のメディアも相次いで特集を組むなど、「画家・ブッシュ氏」は着実に人気上昇中だ。