近畿地方でマグニチュード7以上の地震の兆候があるなどと、たびたび発表してきた研究者が、またもや予測を外し、「どうかお許しください」などと謝罪した。
ただ、年内に地震が発生する可能性を撤回した一方で、年明けに地震発生の可能性があるとほのめかし、ネットでは「また延期か」「オオカミ少年」などとあきれられている。
2008年7月から地震の兆候?
地震予測の研究者とは、山梨県にある八ヶ岳南麓天文台・台長の串田嘉男氏だ。阪神・淡路大震災をきっかけに、FM電波による地震予測研究を本格化させた。串田氏の著書「地震予報」(PHP新書)によると、普段は届かない遠くのFM放送局の電波が、地震の発生前に震源の上空で散乱して、受信強度に変化が現れる。これを解析することで地震が予測できるという仕組みらしい。
受信強度の変化が収束した後、地震が発生するまでに一定の法則があるといい、八ヶ岳、秋田、高知などの観測所から集めたデータを基に、地震が起こる場所や規模、時期を推測する。串田氏は以前から近畿圏での巨大地震発生を警告していて、その予兆は2008年7月から継続して見られているようだ。受信強度が最大になり、静穏化し、また最大になるという周期を繰り返している。
2012年12月14日発売の写真週刊誌「FRIDAY」のインタビューで串田氏は、「琵琶湖周辺でマグニチュード7.8の直下型地震が起こる可能性がある」と予測し、FM電波の異変は「第4ステージ」を迎えたとしていた。しかし、琵琶湖周辺で大規模な地震は発生せず、地震発生予測は後ろ倒しになっていき、段階は「第5ステージ」「第6ステージ」とどこまでも続いている。
また、2013年8月31日のZAKZAKの記事では、「早ければ9月前半にも近畿圏でM7以上の大型地震が発生する可能性がある」と警告したが、こちらもまた予測は外れてしまった。串田氏は自身のウェブサイトでも、計測データと地震予測を1か月に数回掲載していて、10・11月の地震発生をにおわせていたものの、近畿圏で大きな揺れは観測されていない。
「心よりお詫び申し上げます。本当に情けなくなります」
串田氏は11月18日、「近々に対応地震発生の可能性は完全否定できます」とウェブサイトで発表し、同月中の地震発生の可能性を撤回した。さらに、電波の異変段階は「第7ステージ」に突入していると明かし、
「こんなことがより初期の段階で認識できなかったことは、単純に小生の力量の無さによるもので、本当に申し訳存じます。心よりお詫び申し上げます。本当に情けなくなります。どうかお許しください」
と謝罪した。
少なくとも12月下旬までは地震発生の可能性は否定できる、とした一方で、新たに2014年初旬に発生する可能性に言及した。
この発表にネットでは、
「また延長か。ブレないな」「言い続ければいつかは当たるだろうの典型的な例だな・・・」「備えは大切ですが、こう毎月来る来る言ってれば信憑性はどんどん無くなります。そろそろペナルティ付けて欲しい」
と厳しい意見が書き込まれた。
中には「今回こそって思って非常食ダンボール10箱分集めたのに・・・orz」と地震に備えていた人もいたようだ。