「虚構新聞」が日本ユニセフの記事削除要請に応じた? 「言論に対するあまりに暴力的な行為だ」と激怒!!!

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   事実と違う出来事をギャグやパロディーを交えて報道するサイト「虚構新聞」が、日本ユニセフ協会から厳重抗議を受け該当記事を削除することになった。同時に「言論に対するあまりに暴力的な行為だ」と日本ユニセフ協会を批判した。

   かねてから同協会に懐疑的なネット民は、記事を削除させた日本ユニセフが許せない、と盛り上がっているが、実は、抗議を受けて記事を削除したという事も「虚構新聞」のネタであり、今回も盛大な「釣り」になっていると考えている人もいる。

募金の使い道とアグネス・チャン問題を題材にした

虚構新聞は「経緯」を説明
虚構新聞は「経緯」を説明

   問題の記事は「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」というタイトルで、説明によれば2013年11月18日の午前8時にアップしたところ、同日の午後2時23分に同協会から抗議と削除要請のメールが届いたため、その8分後に記事を削除した。

   記事の内容はこのところネットで話題になっている日本ユニセフの募金の使い道と、広告塔のアグネス・チャンを題材にしたものだ。これまで使途が不透明だとして批判されてきた同団体への寄付金について透明化を徹底させるため、全面総ガラス張りの新本部ビルを建設し、現金輸送車も透明な特注車を発注する、といった内容だった。

   「虚構新聞」といえば、さもありなんというウソ記事を読んで楽しむ大人気サイトだが、これまでも様々な物議をかもしては謝罪を繰り返してきた。というのも内容が事実だと信じる「釣られる人」が続出することがあり、それが他のメディアでも事実として取り上げられたりするからだ。

   例えば、和式便所が少なくなったため「便器生産国内第1位の便器メーカーTOTOが、年内で和式便器の生産を終了すると発表しました」というものや、ツイッターネタでは「フォロワー数300人以下の人は強制退会」、ユーザー数が増えすぎたため「ツイッターのつぶやきは17文字に制限」、大阪市の橋下徹市長が「市内すべての小中学生にTwitterの利用を義務づける方針」などがある。また、男性問題をスクープされたAKB48の峯岸みなみさんが頭を丸刈りにしてファンに謝罪したときには「切り落とされた毛髪がシングルCDの封入特典になる」と書いた。

   また、ウソ記事が現実になったりもする。「虚構新聞」のウソ記事にあるアイデアを拝借して企業などが実際に作ってしまうのだ。13年7月には森永チョコが人気のチョコレート菓子「DARS(ダース)」の新商品で同サイズのチョコレートが144個入った「GROS(グロス)」を発売すると書いたところ、森永が実際に作ってしまった。

「弊社が取り上げるニュースはすべて虚構のものであり、現実の人物・事件・団体とは関係ありません」

と謳っているが、現実になることもあれば、ウソが本当のことだと信じられ、騒ぎになると謝罪することもある。橋下市長のツイッター騒動では、現実にありえないことを伝えるのが「虚構新聞」のポリシーだが、信じてしまう人が多数出たとして、

「今後はもっと現実離れした虚構報道を心がけます。申し訳ありませんでした」

と謝罪している。

ネットで「二段構えのウソ記事だった」という意見も

   さて、そんな流れの中で騒動になった今回の日本ユニセフ騒動だが、記事の削除を決めた経緯が記事を掲載していたページに詳しく書かれている。これまでと全く違うのは、きちんと調べて書いている記事であり、

「全て事実である以上、全面削除を求めるのは言論に対してあまりに暴力的ではないかと思います」

と削除要請した日本ユニセフを強烈に批判している点だ。この「事実」というのは、協会に対してネット上で批判の声が挙がっていること、昭和記念公園に「見えないトイレ」を設置すること、アグネス・チャンさんが怪しげな物品を販売していること、西村ひろゆきさんが協会に公開質問状出したことなどで、どうやらこの部分に協会が目くじらを立てたと「虚構新聞」は思っているようだ。

   そして不可解な記述もある。協会からの削除要請はメールで来たと書いていて、記事のどの部分が信頼失墜につながるか協会側に問い合わせることもできたが、しなかった、と説明している。つまり、協会とはコンタクトを取っていないようで、実際このメールは協会から寄せられたものなのか、もしくはメール自体が「虚構」だったという可能性もあるわけだ。ネット民の多くは今回の「虚構新聞」の発言を事実だと信じていて協会への批判が続出している。一方、少ないながら全ては仕掛けられたネタだと思っている人もいて、

「誰でも知っていることであって、削除を申し込まれる理由が分からない」
「抗議を受けて削除までが虚構です。という二段構えネタ」
「二段構えか。やるなwww」
などといった書き込みがネット上に出ている。

   では、日本ユニセフは「虚構新聞」に抗議と記事削除要請のメールを送ったのか。協会広報に問い合わせているが、返事は2013年11月19日午後6時現在まで来ていない。

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