「AmazonがPS4の出荷停止」デマの疑い濃厚 GIGAZINEが海外ネット書き込みに釣られた?

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   新型ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」が2013年11月15日に米国とカナダで先行発売され、発売初日で100万台(ソニー・コンピュータエンタテインメント発表)を売り上げる好調ぶりを見せている。

   大人気の反面、ネット上では早速購入者から初期不良の報告が書き込まれている。そうした騒ぎの中、ニュースサイト「GIGAZINE」が海外掲示板の書き込みに釣られたと見られる記事を掲載したとして話題だ。

「SONYはPS4の生産ストップしている」Amazonオペレーターが回答?

Amazon.comのPS4販売ページ
Amazon.comのPS4販売ページ

   ツイッターでは「#PS4broken」「#brokenPS4」というハッシュタグが作られ、PS4の不具合や欠陥が共有されているが、中でも「Blue Light of Death(BLoD)」という現象が多く報告されている。

   PS4は通常電源を入れると、上面にある電源ランプがまず青く光ってから白に変わる。白く光っていると「電源オン」のサインとなるが、電源を入れても青く光ったままで白に変わらず、電源を入れようとする状態のまま止まってしまう、という不具合があるようだ。この現象がBLoDと呼ばれている。

   米Amazon.comのPS4販売ページでは、13年11月19日18時現在レビューが2702件寄せられているが、そのうち星1つは689件で、やはり「BLoDが起こった」という声が多い。

   この騒ぎを受け、GIGAZINEが11月18日に「PS4に初期不良出まくりでAmazon出荷停止へ、『ブルーライトデス現象』が不具合の多くを占める」という見出しの記事を公開した。

   記事の中にはこんな記述があった。

「あるユーザーはチャットサポートを使って、Amazonのカスタマーサービスに『PlayStation 4に生産過程での欠陥が見つかり、現在ソニーがその欠陥について調査中で、ソニーから御社(Amazon)に出荷を止めるように指示があったと聞きましたが本当ですか?』と質問。カスタマーサービスは『お客様がお聞きになられたことはすべて真実です。聞くところによると、SONYはPlayStation 4の生産をストップしているとのことです』と返答しており、AmazonからのPlayStation 4の出荷がストップしていることも判明しています」

Amazonオペレーター「PS4の出荷は止められていない」

   この記事は公開直後からネット上で拡散され、「うわぁ。。。ソニーやっちまった」「Amazonで出荷停止ってどんだけ不良品なの…」「PS4が海外で出荷停止になったから、日本の発売日が守られるのか心配になる」などと書き込まれた。

   一方、「普通カスタマーセンターの人間が知るわけないやろ。言っても、弊社では分かりかねますとかやろ」「正確なソースもなく出荷停止なんて断定する記事書いていいのかよ」など、記事の信ぴょう性への疑問の声も上がった。

   GIGAZINEが記事に引用した「あるユーザー」のAmazonとのやり取りは、海外のゲーマーが集まる掲示板「NeoGAF」に投稿されたスクリーンショット画像を元にしている。初期不良のためにAmazonがPS4の出荷を止めているという情報源はこの画像しかなく、NeoGAFでも「このやり取りは本当なのか、ねつ造ではないのか」などと疑問視されていた。

   やがて「GIGAZINEがねつ造に釣られている」として騒ぎになり、11月18日21時までにいったん記事は削除された。

   その後、21時20分頃には改めて記事が公開されたが、見出しから「Amazon出荷停止へ」という部分が削除され、「PS4に初期不良『ブルーライトデス現象』が発生、Amazonレビューは混乱状態に」に変更。記事ではAmazonのカスタマーサービスとユーザーのやり取りを引用しつつ、「このやり取りはねつ造であるとされている」という記述が加えられた。「内容を修正した」との注意書きはない。

   ちなみにJ-CASTニュースの記者が11月19日、Amazon.comのチャットサポートで「ソニーがAmazonに出荷を止めるよう指示したのは本当か」と質問したところ、「PS4の出荷は止められていません」との返答を得た。現在は在庫切れで、入荷を待っている状態だという。

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