「苦情はあるが、改善しています」
ネット上を見ると、同じ業者にバイクを売ったという報告もいくつか行われていた。
あるブロガーは2009年12月28日、この業者に電話して来てもらうと、チラシにあった3万円では売れないと言われたと明かした。夜にバイクを見たので細かいところをチェックできなかったというのだ。結局、業者の言い値で売り、領収書の金額欄も空白にさせられたそうだ。チラシには、緒方恵美さんのケースと同様に、すぐに廃車の連絡をするとあったが、その後連絡はなく、不安だと漏らしていた。
この業者はチラシ配布スタッフなども募集しており、その情報などから拠点の1つが横浜市都筑区にあるらしいことが分かった。近くの会社に取材すると、こんな話を教えてくれた。
「そこには看板はないですが、バイクを持ち込んでは、いじっていました。入れ替えが激しいものの、常に10台ぐらい置いてありましたよ。分解しているのは見たことがありません。3、4人が出入りしており、黒塗りの高級車も置いてありました。2年ほど前にここに来たようですが、話したことはないですね」
業者のフリーダイヤルにかけると、男性スタッフが出て取材に答えた。
「自宅車庫のバイクにも貼られたという苦情は確かに来ていますが、改善していっています。買い取ったバイクは、中古車販売店で売っています」
しかし、拠点のある場所などについては答えず、詳しく聞こうとすると、電話を切ってしまった。
国民生活センターによると、バイクの買い取りについての相談は、ここ数年徐々に増えており、12年度は2年前の倍の122件あった。相談内容は、もっと高く買ってくれるところがあったので、買い取りの契約を止めたい、などで、強引なケースも数件あった。ただ、自動車の相談の10分の1ほどしかないという。