「中国スマホ」急成長 華為技術が世界トップスリー入り

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黒Tシャツにジーンズの「中国のジョブズ」

   中国メーカーの中でも急成長で、注目を集めているのが「シャオミー」だ。創業者の雷軍氏は、「中国のスティーブ・ジョブズ」の異名をとる。黒いTシャツにジーンズといういでたちで新製品をプレゼンテーションする姿は、アップル創業者のジョブズ氏を強く意識したものなのは間違いない。それどころか、製品までも見た感じiPhoneそっくりで、ウェブサイトのデザインもどことなくアップル似なのだ。

   だが単なる「キワモノ企業」ではない。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を改良した独自OSを開発、端末の性能は本家iPhoneに勝るとも劣らず、それでいて価格はずっと安い。例えば「紅米」という機種は799元(約1万3000円)と格安だが、カメラの性能が高いのが特徴だ。「エコノミスト」誌11月5日号の記事では、中国の若者は交流サイトに自分の写真を掲載する機会が非常に多く、スマホ購入の際にはカメラ機能を重視する。「紅米」はそのニーズをしっかり押さえているというわけだ。また、最新モデルは高機能だが1999元(約2万8000円)と、「廉価版」iPhone5cの半額以下となっている。

   生産はすべて外部に委託。販売店を持たず、家電量販店すら通さずにウェブサイト上でのみ販売する。2010年の創業からわずか3年で、中国国内ではアップルとシェア争いをするまでに成長したのは、徹底した「まね」に加えて、強い開発力とコスト圧縮のあくなき追求が原動力となったようだ。

   国内で足固めをした中国メーカーは、徐々に世界に進出し始めた。レノボはインドやベトナム、タイ、ウクライナといった国々で販売を開始しており、「まずは新興国で実績を作る。その国が成熟国」との戦略を立てている(「週刊東洋経済」2013年9月21日号)。

   青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏は、「現状では新興国がターゲットでしょう。展示会では中国メーカーの担当者が、新興国のVIPを相手に説明する様子をよく目にします」と話す。

   中でもファーウェイは、携帯電話基地局の建設など通信インフラの分野で世界有数のシェアを誇るという「武器」がある。アフリカなど通信が未整備な土地に参入してインフラ建設を請け負い、「ついで」に安価な端末を販売してスマホのユーザーも獲得してしまうという筋書きが見えてきそうだ。

   ただ日本市場では、中国スマホがシェアを獲得するのは難しそうだと木暮氏。国内でも徐々にスマホのラインナップに加えられてきたが、どちらかと言えば「ローエンド」製品で、高機能スマホを求める日本人には訴求しきれず、ブランド力もiPhoneなどと比べて弱い。当面は、シェア拡大が望める新興国での勝負に徹するとみられる。

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