過去最高益でも大規模リストラ JTは何を目指そうとしているのか

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たばこ市場で「世界3強」の一角を確保

   もっとも、JTにとって、国内たばこ市場の縮小は「折り込み済み」で、早くから海外への布石を打ってきた。1999年には米「RJRナビスコ」の米国以外のたばこ事業を買収。2007年には、英たばこ大手「ギャラハー」買収に、2兆2000億円を投じた。この甲斐あって、米フィリップモリス、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコと「世界3強」を形成。海外たばこ事業の売上高は全体の5割弱を占め、国内たばこ事業の3割強を大きく上回っている。ただ、一部の先進国では、増税による価格上昇やパッケージ表示の制限など、日本と同様に逆風もあり、海外たばこ事業が順調に拡大するかは見通せない。

   JTはほかにも、缶コーヒー「ルーツ」ブランドを持つ飲料事業や、冷凍麺などの加工食品事業、鳥居薬品などの医薬品事業を抱え、多角化にも注力してきた。だが、これらもまだ大きくは育っていないのが実情。

   国内たばこ事業で「大なた」をふるった後、それを補って余りある収益の柱を育てることができるか、課題は多い。

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