「まったく何もしていないわけではない」
インスパイアーは、1991年6月に資本金2億円で設立(当時は、フォーバルクリエーティブ)。ITセキュリティに関連する商品の輸入・販売やそれらの商品にかかる保守サポートサービス、コンサルティングなどを手がける総合ITセキュリティサービスベンダーで、2001年12月に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現JASDAQ)への上場を果たした。
現在はITセキュリティ事業に加えて、学習塾経営のフランチャイズ事業や広告事業、売買代金のクレジット決済にかかる加盟店開発を行うカード事業と、創建コーポレーションとの業務提携による太陽光発電システムの販売を行うグリーンエネルギー事業――の5つを据えている。なかでも、「主力事業は太陽光発電」という。
ただ、事業を継続しているITセキュリティ事業の保守サービスでは営業体制の再構築が必要だが、それも資金不足から現在は手つかずの状態。また、新規事業として始めたグリーンエネルギー事業は後発のため苦戦を強いられている、と説明する。
同社は、事業の現状打破と早急な財務基盤の安定のため、新株予約権や新株式の発行といったエクイティ・ファイナンスによる資本増強を行う方針で、「資金調達と営業体制の立て直しを併行して取り組んでいく」と強調する。
そう簡単には営業体制を立て直せるようにはみえないが、インスパイアーは「決算書に書いてあること以外はお話しできません。ただ、まったく何もしていない会社だと思われているのでしたら心外です」と話している。