米「ミッキーマウス保護法」を世界へ?
95ページ、3万ワードに渡る文書にはほかにも商標、製品がどの地域に由来するかという「地理的表示」、違法な模倣品対策、インターネット事業者の責任範囲と多岐にわたる。「対立だらけ」の印象で、すべての項目で合意に達するまでは相当時間がかかりそうな雰囲気が伝わってくる。
ウィキリークスのリリースには、こんなイラストが添付されていた。「なんでも君の言う通りだよ、ミッキー」と書かれたペナントが張られたそばにはミッキーマウスがいる。だが、ちょっと様子が「変」だ。耳に米大手エネルギー会社の、お尻には大手自動車会社のそれぞれロゴを付け、さらに米大手製薬会社のマーク入りの台に乗って握手を交わしている。相手は米国や日本などの「12か国」だ。実は米国では1998年、著作権保護の年数をそれまでより20年延長する法律が制定された。当時、1920年代に発表された「ミッキーマウス」の映画の著作権切れが迫っていたための措置ともうわさされ、この法律は「ミッキーマウス保護法」とも呼ばれた。米国内にとどまらず世界でも著作権保護の年数を延長したいとする米国の思惑から、ミッキーマウスを象徴的にイラストに用いたのだろうか。
日本を含む各国メディアは、今回の「情報流出」に高い関心を寄せている。英紙「ガーディアン」電子版は11月13日、「ウィキリークスがTPPの機密条文案を公表」と題した記事を掲載した。それによると、TPPによって利害が生じる可能性のある大勢の人が交渉の行方を心配しているが、公表してほしい交渉に関する情報が遮断されているため、本来は頼るべきではない「ウィキリークス」のような暴露サイトを利用して何が話し合われているかを知るよりほかない、と指摘した識者コメントを紹介している。