F1参戦表明でムードが一変
一方、「東京モーターショー 2013」(11月20日~12月1日)に出展される「軽」のオープンスポーツカーのコンセプトモデル「Honda S660 CONCEPT」は、「ビート」の後継として2014年に発売を予定している。
スポーツカー「NSX」のコンセプトモデル「NSX CONCEPT」は、日本初公開。2013年8月にホンダの米現地法人、アメリカン・ホンダモーターが試作車によるデモンストレーションを、米オハイオ州で開催されたインディカーシリーズ第14戦で、世界で初めて公開して話題を呼んだ。現在、米オハイオ工場で量産開始に向けて開発中で、2015年発売の予定だ。
ここ数年、「ホンダは元気がない」と言われ続けてきた。リーマン・ショックに、東日本大震災やタイの大洪水と災害によるサプライチェーン混乱があったとはいえ、北米市場ではゼネラルモータースやフォード、クライスラーが復調。韓国の現代自動車も売り上げを伸ばしていた。低調だったのはトヨタとホンダだけだった。
その中にあって、復調ムードを一気に高めたのがフォーミュラーワン(F1)レースへの復帰であり、スポーツカー開発だったようだ。
前出の伊藤忠経済研究所の丸山氏は、「F1参戦は、経営やクルマづくりの土台が整い、余裕ができたことのあらわれ」と話す。
ホンダは5月、F1シリーズへの復帰を発表した。2015年からマクラーレンにエンジンを供給。実現すれば1988~91年に黄金時代を築いた「マクラーレン・ホンダ」が復活することになる。
スポーツカーこそ、「ホンダらしさ」なのかもしれない。