操作ミスなのか機能上の問題なのか 自動ブレーキ車事故に関心高まる

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   マツダの乗用車「CX-5」の試乗会で起きた事故について、ネット上では、自動ブレーキ機能は大丈夫なのかと、大きな話題になっている。

   衝突の衝撃で、金網のフェンスは、柱が根元から折れてかなり凹んでいる。テレビの報道番組で流された映像から分かる、事故当時の様子だ。

ブレーキは、時速30キロまでで作動

   事故は、2013年11月10日正午過ぎ、埼玉県深谷市内の自動車販売会社駐車場で起きた。報道によると、客の会社員男性(39)は、約7メートル先にあるウレタン製マットを目指し、試乗用のCX-5を発車させた。自動ブレーキの機能を体験するためだ。

   ところが、車はマット前で停止せず、さらに約7メートル先のフェンスに突っ込んだ。その衝撃で、車の前部は大破し、男性は、首をねんざするけがをした。さらに、助手席にいたマツダ系販売会社の男性従業員(22)も右手首の骨を折る重傷を負った。

   この日は、事故前に3~4組が同じ車で自動ブレーキを体験していたが、問題はなかったという。

   CX-5の自動ブレーキは、時速4~30キロの範囲で作動するが、事故当時にそのスピードを超えていたかはまだ不明だ。また、雨や霧などの影響で感知できないこともあるとされるが、事故当時は曇りだった。原因は分からず、深谷署が捜査している。

   11日になって事故が報じられると、自動ブレーキは、すでに多くのメーカーの車種で導入されているだけに、ネット上で安全性を巡る議論になった。

   自動ブレーキについて、「大丈夫なの?」「コレは怖い(((´゚д゚`)))」といった不安の声も次々に上がった。もっとも、「補助システムだからなぁ」「過信よくないって教訓だろw」と冷静に見ようとする向きも見られる。

   自動車評論家の国沢光宏さんは、自らのブログで、「原因は1つしか考えられない」と分析した。

勘違いしてアクセルを踏んだとの見方も

   それは、試乗車を運転していた男性が、ブレーキだと勘違いしてアクセルを一杯に踏んでしまったことにあるのではないかということだ。国沢光宏さんは、自動ブレーキがなかなか作動しないことに男性が恐怖心を感じた可能性もあると指摘した。

   理由としては、時速30キロ以下で突っ込めば、車の前部が少し潰れる程度で済むはずだからだという。事故から見て、試乗車はかなり加速していたはずだと国沢さんはみている。そのうえで、会場のスタッフが試乗する人にブレーキペダルに足を添えておくようアドバイスしたり、暴走時にギアをニュートラルへ戻す訓練をした人を助手席に乗せたりすべきだとした。

   マツダの国内広報部でも、取材に対し、一般的に言えば、かなりのスピードが出ていないと骨折までするケガはしないのではないかとの見方を示した。しかし、この事故については、どのぐらいのスピードが出ていたかについては、調査中だとした。様々な状況を想定してはいるものの、「警察の捜査に協力しており、コメントは控えさせて下さい」と答えた。

   自動ブレーキの体験会については、ブレーキは車のテールランプなどの反射板にレーザーが反応するよう設計されており、反射板を貼ったバルーンで行うよう指導しているという。今回使われたマットについて、反射板が貼ってあったかは確認中だとしている。また、バルーンから8メートル以上離れたところで発車させたり、フェンスなどに近いような狭い場所で行ったりしないよう伝えているともいう。

   自動ブレーキについては、「ドライバーの安全運転が前提であり限界がありますので、過信しないように注意喚起をしています」と言っている。

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