「統合」なんて言ってサイトぶち壊し、だから怒りを歌に
「統合」に不満げな人はほかにもいる。ユーチューブ共同創業者のカリム氏は、11月初旬にユーチューブの自身のページにこう書き込んだ。
「動画にコメント入れるのに、なんでグーグルプラスのアカウントが必要なんだよ、ばかばかしい」
カリム氏が、オンライン決済サービス「ペイパル」勤務時代の同僚だったスティーブ・チェン氏と共同でユーチューブを立ち上げたのは2005年。その後、自身は一線から身を引いて相談役の形で協力していたが、ユーチューブは2007年にグーグルが買収した。今回の書き込みは、2005年4月に自身が米サンディエゴの動物園を訪れたときに撮影した動画を公開して以来、実に8年ぶりのもの。今や経営上は関係ないとはいえ、自らが開発したサービスだけに今回の措置はよほど頭にきたのかもしれない。
さらにストレートに怒りをあらわにする利用者がいた。英国在住のエマ・ブラックリーさんは「グーグルプラスへの私の思い」と題した自作の曲をユーチューブで公開した。ウクレレをかき鳴らしながら歌うその歌詞は、辛らつだ。
「今朝起きてツイッターをチェックしたわ。次にフェイスブックに天気の話題を書いたの。で、お次は友達のグーグルプラスの最新記事を確認…ううん、見なかったわ。だって、グーグルプラスってクズだもの」
ブラックリーさんは「ユーチューブシンガー」、つまり自身が歌う動画を頻繁に投稿する女性だ。その目には、今回のグーグルプラスとの統合は「改悪」と映ったようだ。「くたばっちまえ、グーグルプラス。『統合』なんて言ってサイトをぶち壊し。だから私は怒りを歌に変えるの」と続け、「ヤフーに頼んで直してもらってよ」と皮肉る。見たい動画は見られない、動画へのレスは死んだ、「つながり」がないとコメントも残せないなんて、いったいどうなってるのよ――。歌い終わった後で「今回の(統合という)変更は本当におかしいから、こんな歌をつくった」と話し、「グーグル(の責任者)に会いたいわね、そうなったら楽しいはずよ」と笑った。