「フルスイング」を貫くバッティングで、「ガッツ」のニックネームを持つ小笠原道大が2013年11月10日、FA宣言をして巨人を去ることが確実になった。どんな功労者、大物でも最後は追い出されるのが巨人の「外様」の末路だ。
昨オフ、3億6000万→7000万という最大級ダウンで契約
小笠原は楽天との日本シリーズでもアテにされなかった。その時点で「戦力外」で、原監督の来シーズン構想に入っていない。つまり「どうぞ、ご自由に」というわけである。
そこで小笠原は、自分で新たな道を探すためFAを宣言。
「試合に出ることが大事。違った環境で挑戦したいと考え、(FA宣言を)決断した。まだやれる、と思っている」
こう決意を示したが、40歳という年齢を考えたとき、厳しい道が待っている。
今シーズンの小笠原は、キャンプ中のフリーバッティングで左手人差し指を痛めたこともあって、ろくに試合に出られなかった。出場わずか22試合、9安打(本塁打1)、8打点に終わった。
昨年オフ、不成績によりそれまでの年俸3億6000万円から、なんと7000万円という史上最大のダウン幅で契約を更改。一時期、4億3000万円の超高給取りだったことを思うと、力の世界の厳しさを象徴する事例といえる。
屈辱的ダウンにもかかわらず、小笠原は今季にかけたのだが、それはかなわなかった。試合に出場することができなければ、意地の空回りでしかない。