浅田真央最大の敵はやはり「キム・ヨナ」 「故障」「GP欠場」…それでも過小評価は禁物

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   ソチ五輪開催まで3か月を切った。最大の注目点は、今季限りの引退を表明しているフィギュア女子の浅田真央選手だ。2013年11月8~10日にはグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯で自己最高得点をたたき出し優勝、五輪に向け絶好調と言っていい。

   となると気になるのは最大のライバル、キム・ヨナ選手の存在だ。このところは「足のけが」やそれに伴う「GPシリーズ欠場」と、やや順調さを欠いているようにも見える。ソチ五輪での「最後の対決」は、はたしてどうなるのか。

「横顔も完璧」と韓国メディア絶賛

「痛みは完全にはひいていないが、全体で見て70%ほどの状態に戻った」

   2013年10月30日、ソウルで開かれた五輪代表選手団の記者会見でキム選手は、笑顔も見せながら現在の状態を報告した。

   キム選手は10年のバンクーバー五輪制覇後、1年8か月にわたって競技会から遠ざかり、一時は「半引退」状態となっていた。しかし12年12月から復帰すると、13年3月の世界選手権では浅田選手らを抑えて優勝、「女王復活」と韓国ファンの溜飲を下げさせる。しかし9月、右足中足骨の損傷が発覚、全治6週間の診断が下る。「猛特訓」が祟って疲労骨折直前の状態だったといわれ、予定していたGPシリーズへの出場を回避せざるを得ない事態となった。

   しかし30日の会見では、「ジャンプもすでにこなせるようになった」と復調ぶりを繰り返しアピール、また11月5日には「実戦」でカンを取り戻すため、クロアチアのゴールデンスピン杯に挑戦する意向も明らかにした。同大会には安藤美姫選手も出場登録している。

   こうしたキム選手の動向を、韓国メディアでは「驚異の復活」などと礼賛一色で伝えている。韓国内ではネット上に熱狂的なキム・ヨナ「信者」たちが跋扈し、少しでも批判的なことを書いたり、写真が小さかったりしようものならたちまち「炎上」することで知られているが、とはいえ「鼻筋通った横顔も完璧なキム・ヨナ」(中央日報)とまで来ると、ちょっと異様な感じもある。

   浅田選手についてキム選手は踏み込んだ発言を避けたものの、「キム・ヨナ選手は浅田真央選手を気にも留めなかった」(スポーツソウル)、「依然としてフィギュア界で抜きんでた存在」(聯合ニュース)と、メディアはすでに「勝ったも同然」と言わんばかりの論調だ。

「大事を取ったというだけのことだったのだろうと思う」

   とはいえ、五輪を控えての足の故障は、マイナス要素には違いない。またGPシリーズで今季の演技を披露できないことは、審判団へのアピール不足という不安を残す。こうした点を挙げ、逆に日本では浅田選手の有利を主張する声もある。

   実際のところはどうなのだろうか。『「才能」の伸ばし方 ―五輪選手の育成術に学ぶ』(集英社新書)などの著書があるスポーツライター・折山淑美氏は、こう語る。

「12月には大会に出られるということは、(9月のけがは)大事を取ったというだけのことだったのだろうと思う。昨シーズンも、GPシリーズに出場せずに世界選手権に直行して優勝しており、審判からも評価を受けている。今年も、あえてGPシリーズに出て審判に顔を売る必要はないと判断したのだろう」

   まだまだ「過小評価」はできないとの見解だ。

   事実、英BBCがソチ五輪を前にまとめた「注目のメダリスト候補」10人の中で、女子フィギュアではキム・ヨナ選手がただ一人選ばれている。

   ソチ五輪は、2014年2月7日開幕だ。

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