高視聴率が続くNHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で、注目を集めている役者がいる。ヒロイン・め以子役の杏さん(27)、夫・悠太郎役の東出昌大さん(25)でもなく、悠太郎の姉でいじわるな小姑役を演じるキムラ緑子さん(52)だ。
め以子への強烈な「イビリ」に、視聴者からは「許せない!」と声があがり、キムラさん本人の印象にまで影響がおよぶほどだが、一体どんな人物なのだろうか。
料理をひっくり返し、給料は横取りの徹底っぷり
「ごちそうさん」は明治末期~昭和を舞台にした物語で、東京の洋食屋で育った食いしん坊な主人公、卯野め以子(杏さん)が大阪出身の西門悠太郎(東出さん)に恋に落ちて嫁ぎ、「食」を通じて家族を幸せにする姿を描いている。視聴率はスタート時から好調で、6週連続で週間平均視聴率21%台を記録。大ブームを巻き起こした「あまちゃん」の平均20.6%を上回る高水準を維持している。
第6週(2013年11月4日~9日)からは「大阪編」となり、め以子は西門家で幸せな新婚生活をスタート・・・と思いきや、西門家ではいじわるな小姑、和枝が待ち受けていた。和枝はめ以子に「一年間は入籍せず女中扱い」と告げ、め以子が丹精込めて作った料理をひっくり返し、祖母の形見の品である「ぬか床」も捨てろと言いつけ、悠太郎の初任給まで横取りするなど徹底的にいびり倒す。大阪の商人ことばである「船場ことば」で、明るく前向きなめ以子をこき下ろす。
インターネット上には、和枝が出演するようになってからというもの、「許せない!」「ひどすぎる」といった声が日々挙がるようになった。あまりの「いけず」っぷりに、その仕打ちをまとめたブログ記事まで登場するほどだ。そんな強烈なキャラクター、和枝を演じているのがキムラ緑子さんだ。
キムラさんはテレビドラマや映画で数多くの脇役を務めるベテラン女優として知られている。兵庫県出身のキムラさんは同志社女子大学卒業後、1984年にマキノノゾミ主宰の「劇団M.O.P」の旗揚げに参加し、看板女優として活躍してきた。97年には紀伊国屋演劇賞個人賞、05年には読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。現在は堤真一さん、渡辺えりさん、八嶋智人さんら実力派俳優陣とともに事務所「シス・カンパニー」に所属している。