自動車、証券も笑いが止まらない
円安の恩恵をまともに受ける自動車各社は、今期の業績予想を下方修正し志賀俊之最高執行責任者(COO)が退任した日産自動車を除いて順調。上方修正が相次いでおり、マツダとダイハツ工業の通期の営業利益は過去最高を更新する可能性も出てきた。米国での販売が好調な富士重工業の世界販売台数は、通年で前期比11%増える見込みだ。
株高の恩恵を受ける証券業界も7~9月にやや足踏みしたとはいえ、笑いが止まらない。大手5社の中間決算の最終利益は3.5倍~22倍で、計3300億円以上を稼ぎ出した。鉄道を含む陸運業は旅行や企業の出張が増えたことから、SMBC日興証券の集計では最終利益が21.6%増になる。
一方、個人消費は堅調なものの、円安による輸入品価格の上昇の影響を受けたと見られるのが、飲食業を含む小売業で、最終利益が3.7%減だった。
業績好調な企業からは早くも来年の春闘での賃上げに前向きな経営者の発言も出始めているが、消費税率アップの影響を最小限に抑えられるかも含め、景気回復を好循環にもっていけるか、アベノミクスの正念場が続く。