上場企業の中間決算、絶好調 飲食業や小売業は円安で最終利益減

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   東証1部上場企業の中間決算が、円安・株高の効果などで好調だ。3月期決算の企業の中間決算発表がピークを迎えた2013年10月31日までの状況をSMBC日興証券が集計したところ、532社(発表予定社全体の約4割)の最終(当期)利益の合計は前年同期比で3.8倍の6兆880億円に達した。売上高は全体で10.6%増の133兆5410億円。

   安倍政権の経済政策「アベノミクス」が企業業績を上向かせた格好だが、今後は各社が賃上げするなどし、政策頼みの景気回復から脱却できるかも焦点となりそうだ。

リーマン・ショック前以来の高水準

   集計した532社の本業の儲けを示す営業利益の合計は、43.9%増の8兆4720億円、これに利息の支払い・受け取りなどを差し引きした経常利益は67.1%増の8兆9200億円だった。

   2014年3月期通期の業績予想を修正したかどうかに着目すると、最終利益については約3割の151社が上方修正した半面、下方修正は80社だった。当初の見込みから業績が下ぶれると予想する会社も少なくないが、その2倍近い会社が上ぶれを予想しているわけだ。その通りに行けば、2014年3月期の東証1部上場企業の経常利益は、リーマン・ショック前の2008年3月期以来の高水準となりそうだ。

   中間決算の発表を終えた業界の一つが大手電機。一斉にノックダウンされたリーマン・ショックからの立ち直りにバラツキがあったが、ようやく全体として業績が底入れし、薄日が差してきた。

   いち早く危機を脱した日立製作所や東芝といった重電系に比べ、もたついてきたパナソニックはV字回復が見えてきた。テレビなど不採算部門に大ナタを振るった効果が出るなか、自動車部品や住宅設備の好調さが後押しし、最終利益は中間期として過去最高の1693億円を記録した。津賀一宏社長は「構造改革は道半ば」と気を引き締めていたが、発表翌日のパナソニック株が2年4か月ぶりに1000円台を回復するなど、市場は好感した。

   ソニーも最終損益こそ158億円の赤字だったが、リストラ効果で課題のエレクトロニクス事業が3年ぶりに営業黒字に転じ、営業利益は4割増の511億円。シャープも営業黒字に転じた。日立や東芝はリストラを終えて攻めに転じるステージに入り、東芝の通期営業利益はバブル期の過去最高益(3159億円)を視野に入れる。

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