「こちらが抗議した内容について直接的に返答したものとは取れなかった」
ウィーバー市長は当初から慰安婦像設置に慎重な立場を取っており、市議時代に行われた設置の採決でも、ただ1人反対票を投じていた。市長就任後も、7月の除幕式には出席していない。9月には日本の保守系メディア「チャンネル桜」の取材に応じ、
「当市に住んでいる日本人はほとんどいないが、韓国人は1万2000人以上住んでいる。誰が力を持つか、想像すれば分かりますよね」
「私は日本人が好きだが、我々は、今となっては『日本で最も憎まれる都市』になってしまったと受け止めており、非常に遺憾に思っている」
などと発言、特に韓国紙から猛烈なバッシングを受けていた。
その矢先の「謝罪」問題は地元でも波紋を広げている。市議たちからは市長の「スタンドプレー」だなどとして、
「ウィーバー市長の意見は、ほかの議員の立場と正面から対立する。(慰安婦像の存在ではなく)それこそが葛藤を起こす原因だ」
「すべてを満場一致で決めることはできないとはいえ、いったん決まったことは尊重されねばならない」
などといった声が上がる。5日には、韓国系住民などが市内で「ありがとうグレンデール」などといったプラカードを掲げてデモを行い、その後開かれた議会でも反対派議員と一緒になって市長を「吊るし上げ」にした。ウィーバー市長は自らへの非難を、ただ黙って聞いていたという。
東大阪市文化国際課の担当者は、10月1日付の書簡が今になってこうした騒動に発展していることに驚いた様子だった。もっとも同市では、上記の書簡は「こちらが抗議した内容について直接的に返答したものとは取れなかった」として、31日付で再度抗議を行ったところだという。今後は姉妹都市としてのあり方を再検討することも含め、引き続きグレンデール市側の動きを引き続き注視していくとした。