日本ハム時代のアクション抑えたダルビッシュ
大リーグでも、マウンド上でガッツポーズを見せる投手がいないわけではない。例えばテキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手。三振を奪うとこぶしを固めて吠える姿を、しばしば目にする。だが、「ルールを破った」として報復されたという話は聞こえてこない。
北海道日本ハムファイターズ時代の映像を見ると、三振を取った後に打者に向かって叫び声をあげたり、腕を大きく振ったりとアクションが大きい。ただ大リーグに移ってからは自重するようになり、ガッツポーズも小さめに変えたという。レンジャース1年目の2012年6月5日付の読売新聞は、「打者の敬意忘れない」と題してダルビッシュ投手がガッツポーズを抑えたり、死球を与えた相手打者に翌日謝罪したりする様子を伝えている。
「もし田中投手が大リーグに渡れば、チームの仲間が(アンリトゥン・ルールを)教えてくれるはず」と話すのは、スポーツジャーナリストの菅谷齊氏だ。派手なパフォーマンスは考え物だが、相手打者は、「自然に雄叫びやポーズが出たのか、自分を挑発してきたのかは区別がつくだろう」というのだ。
とは言え、相手がいつも理解を示すかは微妙だ。事実、投手の行動があわや両チームの乱闘につながりそうだったケースが最近起きている。米国時間10月7日に行われたア・リーグ地区シリーズ第3戦、デトロイト・タイガース対オークランド・アスレチックスの試合で9回、アスレチックスのバルフォア投手が投球後に何かをわめき散らした。
実はこの投手、マウンド上でひとり言葉を発することで知られているようだが、打席にいたタイガースのマルチネス選手は自分に文句をつけたと受け取って言い返した。これが2人の言い争いに発展して一触即発、両軍ベンチから選手たちが飛び出してもみ合い寸前になった。
田中投手は11月7日付の東京スポーツ紙に、「そもそも、あいつ(ロペス選手)に対して(ガッツポーズを)やってないですよ」と弁明した。だが、たとえ「感情が爆発した」「闘志があふれた」結果だったとしても、大リーグでその説明が通用するとは限らない。
大リーガーになれば、「郷に入れば郷に従え」で「ニューマー君」に変身するのか。