世田谷区は空き教室などを活用して希望者全員を受け入れ
その点で成果を上げているのが東京都世田谷区。保育園の待機児童は都内で最多だが、学童保育は「ゼロ」を達成している。区内の小学校64校の空き教室などを活用して希望者全員を受け入れている。保育士や教員免許を持つ人ら550人を非常勤で雇い、午後6時15分まで預かって、月額利用料は5000円。利用登録は約4000人に達する。
同区教委は、児童が増えて空き教室がなくなるなどの事態に備え、学童保育などに使う特別教室確保に努め、校舎建て替えの際には専用の部屋も設けるようにしているという。
ただ、自治体と学校の連携は、言うほど簡単でないとの指摘もある。管理上の責任の問題だ。「教員は忙しく、放課後まで校内に児童が残っていると目が行き届かない恐れがあり、心配だ」(都内のある小学校長)という声がある。予算面でも、学童保育の部屋の清掃などの費用をどうするかなど、「実際に教室活用となれば詰めなければならない問題は次々に出てくる」(同)というわけだ。