楽天が始めた「日本一大セール」で、「価格表示がおかしい」「全然安くない」といった声が相次いでいる。そもそも「通常販売価格」の設定が変だという声が多いのだ。
楽天のセールが2013年11月3日夜から始まり、中には星野仙一監督の背番号にちなんだ「77%引き」という商品もあって話題だ。
シュークリーム10個入り、値引き後は2600円
ところが、ツイッターなどでは、どう見ても最初の価格設定がおかしな商品がある、との指摘が次々に出ている。
やり玉に挙げられた1つが、京都・宇治の抹茶を使ったシュークリームだ。ある北海道の出店業者のサイトでは、10個入りの通常販売価格を1万2000円に設定し、「楽天日本一セール 77%OFF」とうたった。そこでは、産地直送価格として、2600円という値引き価格が表示されている。
これに対し、産地メーカーのサイトを見ると、10個入りの定価は2625円になっている。つまり、77%を引いても定価とほとんど変わらない価格ということだ。ネット上では、この価格設定に疑問の声が相次ぎ、出品業者のサイトはその後「店舗の改装中」と閉鎖される事態になった。なぜこんな価格設定にしたのか電話で取材すると、担当者がおらず、理由についても聞いていないとのことだった。
77%引きでは、ほかにも通常販売価格の設定がおかしいとの指摘があった。iPhone 4S用「SIMフリー」は、大阪の出店業者のサイトで、通常価格が43万3915円となっていた。それが9万9800円という値引き価格で売られ、ツイッターで「どう考えても酷すぎ」と報告されている。
こちらは、優勝セール後からこの価格なのかははっきりしないが、騒ぎの後にサイトから商品が削除されている。業者に取材したいと電話で聞くと、「結構です」と繰り返すだけだった。
「消費者庁ガイドラインを守るよう注意している」
優勝セール前から、値引き価格なのにもかかわらず、セールで割り引いたと誤解させるようなケースもあった。
ある有名メーカーの羽毛布団について、北海道の出店業者はセール前、2枚合わせのダブルサイズを「メーカー希望小売価格」15万7500円から値引いて、7万4800円と半額以下に表示していた。しかし、セール後も割引は変わらないにもかかわらず、楽天の検索サイト上では、「日本一大セール 半額以下アイテム」と分類され、セールで割り引いたような表示になっている。
楽天の広報部では、価格設定がおかしいとの声について、こう説明する。
「消費者庁のガイドラインに沿って、適切に販売するよう出店者の方々には日ごろからお願いしています。調査で違反が分かれば、強制的な契約解除といったように厳正に対処しています」
楽天自身がガイドラインを設けることについては、「われわれが決めることではありません」と言う。
抹茶シュークリームの価格設定については、「その店を調査して確認中ですので、現状ではコメントはないです」と答えた。iPhoneのケースについては、初めて聞いたという。
こんな煮え切らない状況の中で、消費者が自衛するにはどうしたらよいのか。ネット上では、Amazonや価格.comなどと比べてから買えばよいといった声が多かった。