熊本県の蒲島郁夫知事は2013年11月5日都内で会見し、「営業部長」として人気のくまモンが、トレードマークの赤いほっぺをなくした「事件」について説明した。蒲島知事の説明によると、「美味しい熊本の食べ物を食べたくまモンが、実際に大切なほっぺを落としてしまった」。
くまモンの赤いほっぺや、トマトやイチゴといった赤色が鮮やかな特産品を通して「赤」を熊本県の統一ブランドイメージとして発信していく考えだ。
子どもは「こんなのくまモンじゃない!」と悲鳴
ほっぺ紛失は、10月29日、熊本市内の交流スペース「くまモンスクエア」で発覚。見学に来ていた子どもたちは、
「こんなのくまモンじゃない!」
といった悲鳴をあげた。
翌10月30日に開設された特設サイトの動画では蒲島知事が「ほっぺあってこそのくまモン」と、沈痛な面持ちで捜索への協力を呼びかけた。渋谷の街頭ビジョンや東京ドームシティーの観覧車などを使い、首都圏で3日間にわたって大々的に「捜索活動」が行われた。
11月2日に公開された動画では、トマト畑やスイカ畑で「ほっぺ」が見つかったことが明らかに。騒動は一応の収束をみた。
トマトやイチゴの「赤」をブランドイメージとして発信する
12月から2月の冬の時期に東京で流通しているトマトのうち4割が熊本産でトップシェアを誇る。熊本産のスイカは生産量日本一で、イチゴは第3位。天草のマダイも、養殖マダイとしては全国2位の生産量を誇る。これらに共通するのは「赤」。蒲島知事は、
「前代未聞の大事件を通して、熊本に大切な『赤』があることを皆さんにお伝えしたかった」
「赤いほっぺをなくした時のくまモンの落胆ぶりは、『もし熊本の赤い素晴らしいものがなかったら…』という県民の思いに通じている」
と、騒動がキャンペーンの一環だったことを種明かし。くまモンも、
「お騒がせしてゴメンなさいだモン。一緒に探してくれて本当にサンくま!」
と頭を下げた。
特設サイト「赤いけん!ウマいけん!くまもと!」を通じて「赤」をPRするほか、14年1月には東京・丸の内でレストランフェアを開く。
会見には熊本県出身で「宣伝部長」を務めるタレントのスザンヌさん(27)も出席。14年1月に出産を控えるスザンヌさんも、
「たくさん熊本の『うまかもん、赤かもん』をたべてもらって、元気にすくすくと育ってほしい」
と話していた。