妻が日本にいながらタイ人女性と同棲
「こういう事件は、あってもおかしくないですね」
J-CASTニュースの取材にこう答えたのは、仕事で2007年まで7年間タイに滞在していた日本人男性だ。この人物の周辺にも、タイ人女性に「貢ぐ」日本人男性の姿があったと打ち明ける。
例えば勤務していた会社の上司は、タイ人女性に車を購入したところ、すぐに逃げられてしまったという。別の上司は、日本に妻を残していながらタイ人女性と同棲するありさまで、「マンションを買ってやったうえ、会社が開くイベントにまで連れてきていました」。また同僚の40代男性は、親の年金でバンコクにマンションを構え、タイ人女性を一緒に住まわせていたそうだ。
そろいもそろってここまでメロメロになる魅力はどこにあるのか。取材に答えた男性は「結局は見かけのよさと、一見すると奥ゆかしいところがあるタイ人女性にひかれるのではないでしょうか」と推測したうえで、「40代後半の日本人男性が20代の美しい女性と交際できるなんて、日本ではありえませんからね」と突き放す。今回逮捕された男の年齢は55歳。ニュース映像を見る限り、年齢相応のルックスで若い女性にもてそうには見えない。結局は「カネ次第」なのだろう。
「寂しがり屋で、女性から頼られると断れないタイプ」がタイで女性にはまるパターンではないかと、先の男性は話す。年金基金で長年コツコツと働いてきた中年男が、旅先のタイで女性にちやほやされて勘違いし、もっと気を引こうと立場を利用して巨額のカネに手を付けた――。こんな背景があったのだろうか。
今回の件で思い出されるのは2001年、青森県住宅供給公社に勤務していた40代男性が、約14億円を横領して逮捕された事件だ。その大部分が妻のチリ人女性に渡ったとみられ、妻はその金で母国に豪邸を建てたうえしばしば日本のメディアに登場し、「自分は知らなかった」と繰り返した。その後豪邸は競売にかけられたが、最終的に回収されたのは5000万円程度とされる。仮に今回のケースで、男が24億円すべてを着服したとしても、本人に支払い能力がないと結局全額は回収できない恐れが大きくなりそうだ。