「大学、簡単に卒業させません」 助成金制度見直しでキャンパスは留年学生だらけに?

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金銭面、就活面など問題点指摘する声も

   卒業認定のハードル引き上げには歓迎の声が多い。インターネット上にも「そもそも『成績の悪い学生を留年させて大学が不利になる』ということ自体が不可思議な制度設計」「出口を絞れば学生も勉強して有意義な4年間になる」といった声が出ている。しかし単純に、留年させやすい環境を作ればいいという話でもない。いくつかの問題も指摘されている。

   まずは「人物重視入試」との一貫性だ。今月上旬には、同会議が国公立大学入試の2次試験において、ペーパー型入試試験の廃止を検討しているという報道があった。「知識偏重」から転換した入試で入学した学生に学力を求めた場合、留年生で溢れてしまうのでは、と危惧する声が出ている。金銭面の負担を懸念する声も少なくない。留年の場合、学費が減額になる大学もあるが生活費などを含めればかなりの額になる。専修大学の准教授は1年で100万円近くかかると指摘し、「楽しいってだけで払える金額じゃない」とツイートしている。

   多くの人が問題視していたのが、就職との兼ね合いだ。内定率は数年前の氷河期から徐々に回復してきたものの、依然、就活戦線は厳しい。少なからず年齢差別も存在する。ネット上では「大学にとっては良い話だけど、社会にとっても良い話にするには就職時の年齢差別に手を付ける必要あり。そうでなければドロップアウトする機会がもう一度増えるだけ」という声もあった。また「大学を卒業させないというのは、内定取り消しとほとんど同義だから、その決定を下す教員の心理的負担は大きい」との指摘もある。頑張って内定を得られてとしても留年してしまえば水の泡だ。そのため、「就活のあり方が変わらないと、恩情単位認定は続くのでは」という意見も出ていた。

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