独自算出の「食通度合い」も信頼性につながらず
食べログで各店に付けられる点数は全レビューの採点の単純平均ではなく、独自の算出方法で決めた各レビュアーの「食通度合い」によって付けられている。「食通度合い」が高い、例えば多くの店に口コミを投稿しているレビュアーの採点が大きく影響し、「食通度合い」が低い、例えばサクラとして登録し1店しか評価していないレビュアーなどの採点は反映されないようになっている。千原さんが話した店については、この「食通度合い」が高いレビュアーが低評価を付けていたと考えられる。
しかしこの算出方法を疑問視する声は少なくない。食べログの機能改善要望を書き込む掲示板には、11年9月に「総合点数が2.92点になっているが、2.5点を付けた1人を除き全員が3.5点以上を付けている。2.5点を付けている人は1000軒以上口コミを投稿しているが、1人のヘビーレビュアーによって他多数のレビュアーの口コミがないがしろにされている」との指摘が書き込まれている。
今回の千原さんの発言を受けて、ネット上では「これすごいわかる。私の好きな店もあんまり高くないんだよな」「今さら??点数よりも内容を見る。食べログに限らず口コミを参考にするときの基本だと思うが…」「人により、嗜好や味覚違うからね 店を捜すには利用するけど、評価は当てにしないのが、常識」など、やはり食べログの採点や評価への疑問や、信用できないという声が上がっている。
自著やブログ、ツイッターなどでかねてから「食べログに惑わされてはいけない」という主張を繰り返している、覆面・仮名のレストラン批評家、友里征耶(ともさと・ゆうや)さんも、「所詮素人のレビュアーの評価だし、独自の算出方法というのもよくわからない。運営が商売としてやっている時点で公平性が期待できるわけがない。食べログの採点は真に受けるようなものではない」と批判した。たむらさんの「口コミ50件の3.6点が美味い」発言に対しても、「全くそんなことはない」と否定した。
友里さんは高評価が付けられた店に出向き、「実はまずい、やっぱりダメだった」という批評を展開するために食べログを利用することもあるというが、一般の消費者は「食べログは店の検索に使う程度で十分」とのことだ。