アマゾンやグーグルも参入
ただ、かつての勢いはない。2010年にiPad初代機を発売し、世界シェアの8割を占めたが、昨年4~6月期は6割に、さらに今年4~6月期は3割に落ち込んだ。アップルが10月29日に発表した7~9月期の販売台数は1410万台で、前年同期とほぼ横ばいだった。
米調査会社IDCは、タブレット端末の世界出荷台数が、2015年にパソコンを上回ると予測。有望市場を取り込もうと、サムスンをはじめとするアジア勢が次々と参入している。サムスンのシェアは今年4~6月期、前年同期比2倍以上の18%を占めたほか、低価格が売りの中国、台湾勢の追い上げも激しい。お膝元の米国でも、アマゾン・ドット・コムの「キンドル・ファイアHDX」や、グーグルの「ネクサス7」(台湾エイスース製)、マイクロソフトの「サーフェス2」などがひしめく。どの製品が受け入れられるのか、年末商戦の行方が注目される。 一方、ソニーや東芝、NEC、富士通など国内勢もタブレット端末を作っているものの、世界競争の「蚊帳の外」に置かれている。国内の個人向け市場は、iPad人気が根強い。これまでパソコンで納入実績のある企業や自治体向けに営業攻勢をかけ、細々と食べていくしかない状況だ。