1人当たりコメ消費量、40年で半減 減反見直しで農業再生はなるか

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   政府は、コメの生産調整(減反)の見直し作業に着手した。コメの生産量を抑えて価格を維持する減反政策は、零細農家を保護する反面、大規模農家の意欲をそぎ、農業改革につながらないと指摘されてきた。

   農業従事者の高齢化や食生活の変化で日本の農業が岐路に立つ中、農業再生が進むかに注目が集まっている。

農業団体の反発で抜本的改革に踏み込めなかった

   減反は1970年から本格化した。1960年代からコメの消費量が減少、コメ余りが広がる中、コメの販売価格を維持するため、作付面積を減らすという需給調整政策だ。当初は作付しない面積を農家に割り当てたため減反と呼んだが、2004年以降、生産量の目標を配分する仕組みに変え、「生産調整」とも呼ばれている。

   民主党政権時代の2010年度からは、減反に参加する農家に10アール当たり1万5000円の補助金を一律に支給する「戸別所得補償制度」が導入された。

   こうした一連の減反政策は、農地の規模の大小と関係なく農家を支援する制度であるため、大規模農家の育成につながらず、農業の活力を奪っている、との批判は従来から多かった。しかし、選挙時には政権与党を支える農業団体の反発を懸念し、政府・与党が抜本的な改革に踏み込めなかったという経緯がある。

   そんな減反政策の見直しが突如始まった最大のきっかけは、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉だ。日本は2013年7月にTPP交渉に参加。コメや麦、乳製品などの農産物「重要5項目」を「聖域」と位置づけたものの、TPPは関税の完全撤廃を目指すのが大前提で、重要5項目を含め、農産物の市場開放の流れは100%止めることができない。そんな現実を前にてし、日本の農業の競争力を高めるには、減反を見直して、効率経営化につながる農家の大規模化を目指すしなかい、と政府・与党が決断した結果といえる。

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