「人殺しの訓練よりも災害復旧」 山本太郎議員、自衛隊任務の災害派遣特化求める

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   山本太郎参院議員が、ボランティアの現場で自衛隊の任務について「人殺しの訓練」と発言していたことがわかった。被災地復旧に行政のサポートが少ない上、自衛隊の役割を災害復旧に特化すべきだとの考えから出た言葉のようだ。

   山本議員をめぐっては、10月末には伊豆大島のボランティアで、スタッフが同様の発言をして問題になったばかり。事務所が釈明の文章をウェブサイトに掲載した矢先だった。

被災地支援「自分の中にも『行ってない、どんなんか知らん』という気持ちがあった」

   2013年9月の台風18号では由良川や桂川が増水し、京都府福知山市などに床上浸水などの被害をもたらした。山本議員は全国遊説の一環として2013年9月25日に京都府を訪れ、被災地でがれきや泥を撤去するボランティア活動も行った。この様子は支援者が動画で中継していたが、中継カメラマンと山本議員とのやり取りが波紋を広げている。

   発端となったのが、芸能人が被災地で行う炊き出しなどの支援活動の話題だ。山本議員は、他の芸能人が行わない反原発活動に注力する狙いもあって、被災地の支援活動は行ってこなかったようだ。そこで、

「自分の中にも『行ってない、どんなんか知らん』という気持ちがあったけど、なるほど、こういうことなのか、と。ダイジェストやったけど今日は、知ることができました」

と、実際のボランティア活動に携わってみての感想を述べた。波紋を広げているのが、次の発言だ。

「でも、話聞いたけど、これだけ国のバックアップみたいなのがないんやね。自衛隊も救助はするけど、それ以外のことはほとんど手をつけない。もちろん、道をつくったりはする。人殺しの訓練するよりもそっちする方が先やんな、多分な。これだけ災害多いねんから」
「ボランティア頼みというのは大変やもんね」

京都府内では車両約40両、約250名が出動して水防活動

   自衛隊法によると、「主たる任務」は「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛すること」と定められており(第3条1項)、人命救助などの災害派遣や国際平和協力活動は副次的任務だとされている。山本議員の発言は、この位置づけに異を唱えた形だ。

   災害派遣は、原則として都道府県知事の要請を受けて行われる。台風18号では、9月16日午前7時に京都府知事が自衛隊に対して出動を要請し、車両約40両、約250名が出動。水防活動や偵察活動を行った。台風通過後の14時30分に府知事が撤収要請をしている。

   山本議員をめぐっては、10月28日に伊豆大島でボランティア活動の様子を中継していたカメラマンが

「人を殺したいって言って自衛隊になってる人もいるんですかね」

と述べたとして批判が集まったばかり。山本太郎事務所は10月31日、動画の内容を文字起こしした上で

「ここでの発言は、日頃より災害救助に従事される自衛隊員の皆様に感謝と敬意を持ち合わせた上で、自衛隊員の皆様を戦場に行かせたくないという気持ちからの趣旨であり、自衛隊の存在を否定したり、侮辱したりするような意図では決してございません」

と釈明する文章をウェブサイトに掲載したばかりだった。

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