日本航空(JAL)と全日空(ANA)の航空大手2社の2013年9月中間連結決算は明暗が分かれた。両社とも景気回復で乗客が増えて増収だったが、円安で燃料費がかさんで減益となった。とりわけ運航停止が続いたボーイング787型機を多く保有しているANAの方が利益を大きく減らした。
JALは東南アジア線が好調、ANAは中国路線の低調が響く
JALが10月31日に発表した中間決算では、売上高が前年同期比4.0%増の6593億円、営業利益が同14.6%減の958億円、純利益が17.8%減の819億円だった。
ANAホールディングス(HD)が10月30日に発表した13年9月中間決算では、売上高が前年同期比5.9%増の7976億円で過去最高を記録。国内線が堅調だった。営業利益は同42.5%減の433億円、純利益は同45.7%減の200億円だった。
決算と同時に発表された14年3月期の通期の業績見通しは、JALが上方修正する一方でANA HDは下方修正した。
JALは売上高を当初予想から140億円増の1兆2860億円、営業利益は150億円増の1550億円、純利益は100億円増の1280億円に引き上げた。
ANA HDの売上高は300億円減の1兆5800億円、営業利益は500億円減の600億円、純利益は300億円減の150億円に引き下げた。
JALは東南アジア路線が好調に推移しているが、ANAはボーイング787の影響に加えて中国への日本発レジャー路線の需要回復が遅れていることが響いた。
JALの植木義晴社長は会見で、ANAの業績を念頭に
「ちょっとしたバランスを崩すだけで、これだけ利益が大きく変動する状態。我々も他人事でもない」
と述べた。