「品がない」番組は「マツコの日本ボカシ話」だけか 「ロンドンハーツ」や「バカ殿様」は?

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報道番組もバラエティーも放送倫理問われる現状

   「品がないテレビ番組なんていっぱいある」という意見は少なくない。

   日本PTA全国協議会は2012年まで毎年、「子どもに見せたくない番組」を選んでいた。近年ではテレビ朝日系のバラエティー番組「ロンドンハーツ」が9年連続で「ワーストワン」となっていた。「ばかばかしい」「言葉が乱暴」「いじめや偏見を助長」という理由からだ。2012年の結果では、「クレヨンしんちゃん」(テレ朝系)、「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)もランクインしている。「品がない」との批判で休止に追い込まれるなら、これらの番組も該当しそうなものだが、「ロンドンハーツ」をはじめ現在もすべて放映中だ。「クレヨンしんちゃん」にいたっては何度も映画化されている。

   放送倫理・番組向上機構(BPO)による番組内容の検証も、たびたび実施されている。2013年8月3日に放送されたフジテレビ「FNS27時間テレビ」のコーナーで、お笑いタレントの加藤浩次さんがAKB48のメンバーの両足を持って振り回した後、頭を踏んだり蹴ったりした。BPO青少年委員会は「多くのクレームが届いた」として審議、10月22日に「出演者の身体に加えられる暴力や危険行為」「女性アイドルや女性芸人に対する性的な際どい演出」「地上波の公共性に対する認識」の3点について問題を指摘した。

   BPO放送倫理検証委員会では、関西テレビの報道番組「スーパーニュースアンカー」で、7月に行われた参院選を前に特定の候補者だけインタビューした件、また日本テレビの情報番組「スッキリ!!」で、詐欺の被害者と称してインタビューに応じた2人が、実際は当事者でなかった件などについて審議入りを決めた。

   ニュースからバラエティーまで、しばしば放送倫理を問われている現状に、「品がないのわかった上で見るもんじゃないのか、テレビなんて」というネット上の皮肉も、あながち間違っていないのではないか。

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