司会にタレントのマツコ・デラックスさんを起用してスタートしたTBS系の「マツコの日本ボカシ話」が、初回放送後に休止することが決まった。
局内外から「品がない」との批判を受けての措置だというが、インターネット掲示板やツイッターでは「品がない番組はほかにもあるだろう」と皮肉られている。
当事者の保険会社からもクレーム
マツコさんの番組休止の経緯は、TBSが2013年10月30日に開いた定例社長会見で詳しく明らかになった。複数の報道によると、会見に出席した佐々木卓編成局長は、全編ぼかしという演出手法について「局内でもっと議論すべきだった。猛省している」と謝罪したという。TBSではウェブサイトで、全編ぼかしが局の内規に触れる恐れがあると発表していた。
10月22日の第1回放送では、2人の「生保レディー」が顔をぼかした状態で登場した。告白内容のなかには、契約を取るために「男女関係」を持つ、いわゆる「枕営業」を経験したエピソードなど過激な内容も含まれていた。佐々木編成局長は、やらせや過剰演出を否定する一方、視聴者や生命保険会社からクレームがあったことを認めたそうだ。スポーツ報知は「品がない」という批判も寄せられたと報じた。
ネット上には、番組の「品格」を問われたという説明に対して「いまさら言っても」との投稿が見られる。やり玉にあげられたのが、TBS系の情報番組「朝ズバッ!」を降板したみのもんたさんだ。8月30日の放送で、女性アナウンサーの腰を触るような仕草を見せ、「セクハラではないか」と疑惑がもたれていた。みのさん本人は10月26日の会見で「あのお嬢さん(アナウンサー)はよく発言をトチるので、そのたびに腰をたたいた」と、あくまで「指導の一環」である点を強調し、セクハラではないと断言していた。
だがネットの書き込みをみると、疑いは今も完全には晴れていない。「みのもんたも、品がない、てことか」「本当に『品がない』番組はこれだけだったのか。みのもんたが映っているだけで十分品がないと思うのだが」と非常に厳しい声もある。また、軽妙な毒舌が持ち味のマツコさんを起用したにもかかわらず、「上品な番組をつくるつもりだったのか」と揶揄する意見も出た。マツコさん自身に非はなく、その「キャラ」を局側は分かっていたはず、それをいまさら「品がないと批判された」はないだろう、というわけだ。