「店は下見だけ、買うのはネット」 ZOZOTOWN新商法は流通革命起こすか

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   ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、実際の店舗で商品を下見して、インターネットで買う、新しいショッピング体験を提案する新サービス「WEAR」を、2013年10月31日から開始する。

   店は下見するだけという「ショールーミング化」の進行に、大型商業施設などは戦々恐々だが、果たして消費者に受け入れられるのか――。

コーディネート画像で友だちから意見をもらう

ZOZOTOWNの新サービス「WEAR」がはじまる(画像は、「ZOZOTOWN」のホームページ)
ZOZOTOWNの新サービス「WEAR」がはじまる(画像は、「ZOZOTOWN」のホームページ)

   スタートトゥデイの新サービス「WEAR」は、ファッションに特化したスマートフォンの無料アプリケーションで、コーディネート画像やバーコードスキャン機能などを提供。ブランド店で商品のバーコードを撮影すると、その商品をインターネットで比較したり、友だちに意見を聴いたりしながら、手軽に購入できるサービス。

   参加ブランドは、UNITED ARROWSやURBAN RESEARCH、TOPSHOP、snidelなどの10~20歳代に人気の約200ブランドが決まっている。

   同社は「消費者とその友だち、ブランド、ショップの店員をつなぐことで、よりファッションが楽しめる、新しいショッピング体験を提供したい」と話す。

   「WEAR」の機能は3つ。著名人やショップの店員、一般消費者が投稿するコーディネート画像を検索して、自分の好みのコーディネートを探すことができる「コーディネートレシピ機能」と、すでに自分が持っている洋服をアプリ内に保存して管理でき、商品購入時の参考にできる「マイクローゼット機能」がある。

   ポイントは「バーコードスキャン機能」。実際の店で、気になる洋服の商品タグに印字されているバーコードを読み取ると、価格や色などの商品情報や、その商品を使ったコーディネート画像などにアクセスできる。

   スキャンするだけでWEBに情報を保存できるので、他の商品との比較や友人とのシェアが可能になり、たとえば友達から、悩んだ末に買わなかった洋服のアドバイスや、「買っちゃいなよ」といったコメントがもらえたりする。

   そういったやり取りをもとに、再び店に足を運んで商品を購入したり、帰宅後にブランドの自社サイトやZOZOTOWNで注文したりできる。店に色やサイズがなかったときにも便利だし、ネットで買えば持ち帰る手間も省ける。

撮影禁止のブランド店は多いが…

   一方、大型商業施設は「ショールーミング」への警戒感が強い。店で下見だけしてネットで購入するショールーミング化が広がると、店の商品が売れなくなる恐れがある。テナントの売上高に応じて賃料などを集めている大型商業施設にとっても、店の売り上げが落ちれば収入が減るからだ。

   スタートトゥデイによると、現在「WEAR」の利用可能な大型商業施設はPARCOだけ。大型商業施設に入居しているブランド店は、基本的には出店先の判断を優先させていて、同社では「許可を得ることを前提に(導入を)進めています」と話している。

   国内のブランド店などの多くは、店内での写真撮影を禁止している。ただ、最近は店内でスマホをかざして商品を撮影しては家族や友だちに送信して意見を聴く消費者の姿を、たびたび見かけるようになってきた。

   スタートトゥデイは、「買い方の多様化を提案したいと考えていて、もちろんショップで買うこともできます。また、ショップでもコーディネート画像を見ながら、店員が別のコーディネートの仕方や、別の商品を提案したりするツールとして活用してほしいですし、(こうした買い方が)少しずつ広がっていってほしいです」と期待する。

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