第三者委員会の認識「隠蔽の意図などは認められない」、現時点では踏襲せず
ところが、前出のように、事実はそうではなかった。13年10月28日に発表された第三者委員会(委員長・中込秀樹弁護士)の調査報告書では、11年2月16日に開かれたコンプライアンス委員会の議事録について、問題の融資について、
「当時のコンプライアンス統括部部長であったみずほBKの行員Dより議案の説明がなされ、(当時の頭取の)西堀より本件については取締役会に報告する旨の発言があった旨記載されている」
と指摘している。なお、11年2月22日の取締役会でも、同様の報告が行われたことが分かっている。
つまり、金融庁の検査官が議事録を数年分さかのぼって点検していれば、銀行の説明の誤りに気づくことができた可能性がある。この点については(1)最新の議事録には載っていないが過去の議事録に載っているということに思いが至らなかった(2)検査は効率的に進める必要がある、などと釈明した。
金融庁の検査に対して事実と異なる回答をしたことについては、第三者委員会の報告書は、
「担当者の記憶のみに基づいて回答を行ったものであり、隠蔽の意図などは認められない」
としている。だが、金融庁としては銀行側から提出された資料をさらに精査して判断するとしており、現時点では第三者委員会の判断は踏襲しない考えだ。