金融庁、みずほの説明を「うのみ」 議事録1年分しか確認せず

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   みずほ銀行がグループ信販会社「オリコ」を通じた暴力団関係者への融資を2年以上も抜本的な対策を取らずに放置していた問題で、同行が金融庁の検査に対して「トップは把握していなかった」などと事実と異なる説明をしていたことが問題視されている。

   その半面、結果として銀行側の説明をうのみにし、経営トップが把握していたことを見抜けなかった金融庁の検査態勢にも批判の声が出ている。

 

   金融庁は2013年10月28日夜、検査の経緯について異例の説明を行った。この説明の場では、問題の融資が報告されたコンプライアンス委員会の議事録を1年分しか確認していなかったことも明らかになり、これが「見落とし」の原因だという見方が強まっている。

内部告発の有無についてはコメント避ける

   金融庁は12年12月から13年3月にかけて同行を検査し、その過程で問題の融資が明らかになったとして、9月27日に業務改善命令を出した。銀行側は10月4日の記者会見で、コンプライアンス担当役員で情報が止まっており、トップは問題の融資を認識していなかったと説明。金融庁の検査に対しても、同様の説明をしていた。だが、そのわずか4日後の10月8日の会見では説明を翻し、当時の西堀利頭取が問題を把握していたことを明らかにした。金融庁からすれば、結果として事実と異なる情報を根拠に行政処分を下すという異例の事態だ。

   10月21日の衆院予算委員会では、民主党の長妻昭衆院議員が金融庁の検査のあり方を疑問視したのに対して、麻生太郎金融担当相は、

「検査の質的向上に取り組んでいかなければならない」

 と答弁。麻生氏は10月28日にも記者からこの点について問われて、

「当局の事実認識に至った詳細は事務方にお問い合わせください」

と発言した。これを受け、事務方による説明の場が設けられた。金融庁が大臣発言の捕捉説明のために記者を集めるのは異例だ。この説明の場は「懇談」という位置づけで、発言者の名前や、発言内容を直接引用しないことがルールになっている。

姉妹サイト