東南アジア諸国の日本に対する評価が今でもかなり高いことが、このほど行われた調査で明らかになった。韓国の大学教授が東南アジア諸国で行った調査では、文化面では、K-POPで攻勢をかける韓国に日本が「競り勝った」が、国家イメージでは、まだまだ日本に一日の長があるようだ。
韓国は中国を大差で上回っており、かろうじて日本が「東アジアナンバーワン」の座に踏みとどまっている。
日本は「過去の貯金で食べている」?
韓国の朝鮮日報によると、2013年10月25日に行われた「韓流未来戦略研究フォーラム」の基調講演で、漢陽大学のハン・チュンミン教授が調査結果を明らかにした。調査では、シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・インドネシアの5か国で200人ずつ、計1000人に対して、日韓中の文化や国家に対する好感度を7点満点で聞いた。文化に対する評価では、日本4.95、韓国4.94、中国4.87と僅差ながらも日本が1位だった。
記事によると、ハン教授は
「東南アジアで韓国文化に対する好感度がテレビドラマやK-POPなどの韓流ブームで大幅に高まったが、長年にわたって伝統文化を広く知らせてきた日本の牙城を崩すには至っていない」
と分析。いわば日本は「過去の貯金で食べている」形で、クールジャパン戦略が成功しなければ、容易に韓国に追い抜かれる、といいたげだ。
国家イメージに対する評価は、日本6.02、韓国5.55、中国4.65。文化面の評価と比べると大差が付いている。この結果に、朝鮮日報韓国語版のウェブサイトに寄せられたコメントでは、どういう訳か自虐的なものが目立っている。
「日本人は、世界のどこでも、公衆道徳を守ることについて物議をかもしたことがない。彼らは先進国の国民と同様に行動している。一方、韓国人は…。まぁ、それでも中国人よりは少しはいいだろう。そして何よりも、『韓国人は犬を食う』と思われており、後ろ指を指されることを避けて通れない」
「日本は、欧米とロシアの帝国主義によるアジア植民地化を防ぐために、アジアを代表して戦った国だと認識されている」
「LGもサムスンも日本製だと思っている人がほとんど」
別の調査でも、同様の傾向が表れている。英BBCでは、各国が世界にどのような影響を与えているかについての印象を聞く調査を毎年行っている。13年5月に発表した統計では、17か国で調査を行い、25か国を列挙して国ごとに「主にポジティブ」「主にネガディブ」「場合による」「どれでもない」「分からない」の5段階で評価してもらった。調査対象には日中韓の3か国は含まれているほか。東南アジアからはインドネシアが対象になっている。インドネシアでの調査は、13年2月に都市部に住む男女1000人を対象に対面式で行われた。
インドネシア人の82%が「日本は世界にポジティブな影響」と評価
それによると、インドネシア人は日本について82%がポジティブに評価し、ネガディブなのは9%。今回の調査対象の中で、最も日本を高く評価したのがインドネシア国民だった。2番目に高く評価したのがナイジェリアで、ポジティブ75%、ネガディブ10%だった。
インドネシア人の日本に対する高評価と比べると、中韓への評価は多少差がある。中国に対してはポジティブ55%、ネガディブ22%で、韓国に対してはポジティブ58%、ネガティブ17%だった。やはり韓国のイメージが中国を上回っている。
こうした背景や、タイではビザ発給が要件の緩和されたこともあって、東南アジア諸国から日本への観光客数も急増している。日本政府観光局の発表によると、13年9月にシンガポールから日本を訪れた人の数は前年同期比44.7%増の1万1600人で9月としては過去最高を記録。タイは同56.1%増の2万9300人だった。