筑波山の次に出てきた「名所」は「食べ放題レストラン」
J-CASTニュースが取材したところ、確かに現状で茨城県のイメージはいまひとつだった。「家族でしばしば筑波山に登ります」と話す都内在住の40代男性は、「東京の東側に住んでおり、常磐道を使えば茨城は行きやすい」という。だが、アクセスのよさ以外の魅力をたずねると「うーん」と言葉に詰まった。「自然が多いのは好きですが、ほかには……。過度に期待して行くと『何もない』状況にがっかりするかもしれません。私も、筑波山以外で頻繁に訪れる『名所』となると、食べ放題レストランぐらいですから」と苦笑した。
住民にも話を聞いた。6年前に県南部の太平洋側の街に引っ越してきた女性は、「魅力度調査」で最下位の常連という現実に「分かる気がします」とこたえる。比較的安い価格でマイホームが持てる、田舎なのでのびのび育児ができる、という利点がある半面、例えば幼い子どもが病気になった場合、仕事に行くときに預け先が見当たらないなど不便な点もあるそうだ。街は「人が少ないさびしさがあります。海は波が結構荒く、海水浴を楽しむわけにもいきません」と明かす。「自然豊かな土地」と言うよりは、だだっ広い土地が続くだけでにぎわいのない裏さびれた印象だと繰り返した。
もちろん茨城に魅力がないわけではない。県広報広聴課は、農林水産物の産出高が全国2位だと説明した。生産量日本一のメロンをはじめ、納豆やアンコウといった全国区の名産もある。「外部から来た人は『こんなにいいところだったんだ』と言ってくれますよ」と胸を張った。
他県でも芸能人を起用して積極的にアピールしており、同じようなキャンペーンでは見逃されてしまう。今のところフェイスブックや電話を通して激励が相次いでいる。「とにかく、茨城に目を向けてもらわないことには始まりません」と、担当者は力を込めた。