「中国人は身体が強いから大丈夫だ!」と自嘲
中国に詳しいノンフィクションライターの安田峰俊氏は、こうした中国人の大気汚染への態度をある種の「諦観」だと説明する。
「特にインテリ層の間では問題の深刻さは十分認識されています。しかし実際のところ、彼らが職や住居を捨ててまで逃げる決心がつくのか、例えば北京から離れられるかといえば、現実としてそれは難しい」
さらに、安田氏はこうも語る。
「また政府も、環境問題を本気で解決するなら経済発展をある程度犠牲にせねばなりませんが、国家の根幹である自動車産業や石油産業にタガをはめるのは容易ではありません。状況を短期間で根本的に変えることは不可能に近く、そのことを中国人もよくわかっている。だから、日本ほどには騒ぎになっていないんです。『中国人は身体が強いから大丈夫だ!』などと冗談は言っていますが」