NISAをテコに、株や投資信託に
これがユーロ圏は23%、米国では43%に跳ね上がる。一気に欧米の水準まで高めるのは難しいとしても、NISAをテコにして、株や投資信託に関心を持ってもらえば、NISA以外でも売買が活発化し、手数料収入も増える――と期待しているのだ。
12年11月中旬、8000円台半ばだった日経平均株価は、アベノミクス相場により、13年5月に1万6000円寸前まで駆け上がった。このとき、相場を主導した外国人投資家の買い越し額はざっと10兆円。個人金融資産のうち1%が現預金から株や投資信託に移るだけでも、日本株へのインパクトは大きい。売買代金を伴った上昇相場は、証券会社に大きな利益をもたらす。
現状は「口座開設を申し込んだ人の大半が投資経験者」(大手証券)で、未経験者を含めた大きなうねりにはなっていない。だが、ここで「投資家のすそ野拡大」に失敗すれば、業界全体が先細るとの見方があるだけに、NISA普及へ向けた取り組みはますます強まりそうだ。