深夜・早朝便で稼働率アップ目指す
エアアジア・ジャパンは最大で5機を運用していたが、マレーシアにすべて返却する。改めて2機をANA HDから調達し、路線も当初は成田と沖縄(那覇)、台北(桃園)の2つに絞り込む。14年1月29日に札幌(新千歳)、3月1日にソウル(仁川)便が開設され、順次拡大を予定している。2015年後半には10機体制を目指す。
石井知祥社長は、
「できるだけ早く新しい機材を導入して、路線を選択して集中的に複数便を(飛ばしたい)」
と話す。中でも「新たな需要を喚起できる」と期待を込めるのが深夜早朝便だ。例えば台北便のうち、14年1月29日に加わる便では、22時20分に成田を出発し、1時25分に現地に到着。折り返し便は深夜3時に出発し、7時10分に成田に到着する。沖縄便も同様に、3月15日に加わる便は22時10分に成田を出発して1時30分に現地着。早朝5時40分に那覇を出発して成田に8時10分に着く。
「制約はやむを得ないが色々知恵を出せばやっていける」
と、運用制限の中でも機体の稼働率を上げていきたい考えだ。
「使いにくい」と評判だったウェブサイトもリニューアルされ、11月1日には予約の受付も始まる。石井社長は、
「大幅に改善する。ウェブが苦手な人でも(予約が)取りやすい」
と話した。
成田発のラストフライトは、定員180人に対して幼児2人を含む乗客142人が搭乗。定刻から約20分遅れの17時15分に社員約50人に見送られて新千歳空港に向けて出発した。
国内のLCCとしては、2社以外にも日本航空(JAL)などが出資するジェットスター・ジャパンが運航している。12年6月期の決算では、売上高128億円に対して90億円の営業赤字を計上。厳しい経営が続いている。