公務員保育士は狭き門 「低収入は覚悟の上」
保育関係の仕事をしている男性(25歳)は「男性の場合、大学では特に公立保育園で働く道をすすめられる。民間と違って給料も安定して上がっていくし、福利厚生も手厚い。将来家庭を持つことを望むのなら公務員を目指せ、となる」と話す。だが公立保育園の正規雇用は倍率が高く、採用枠がない年度もある。公立保育園の民営化も進んでおり、ハードルは高くなる一方だ。この男性は「保育士になる以上、低収入は覚悟しないといけない。だからこそ、仕事が好きでないとやっていけないと思う」と語った。
政府は保育ニーズがピークに達する2017年度末までに、待機児童ゼロを目指している。全国では保育施設が次々つくられているが、保育士不足が課題となっている。厚労省は17年度末の時点で、7万4000人の保育士不足を見込んでいる。これを受け、今年度には保育士の賃金アップを図る補助金340億円を投入した。月収約30万円(賞与等含む)の保育士は、月約8000円の賃金増になるという。しかし他業種との格差は依然大きい。
10月18日には「保育を支える保育士の確保に向けた総合的取組」を公表し、ハローワークを中心とした潜在保育士の再就職支援や、新人保育士の離職を防止する研修、人材育成などのプランを打ち出した。約57万人いるとされる潜在保育士に期待をかけている。