13年度の日本医学ジャーナリスト協会賞 毎日新聞のバルサルタン報道などが受賞

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   日本医学ジャーナリスト協会(水巻中正会長)が応募作品から選ぶ今年度の同協会賞が決まり、2013年10月22日、東京で授賞式が行われた。

日本の臨床試験に警鐘を鳴らす

   大賞の新聞部門は、降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑をスクープした毎日新聞科学環境部の河内敏康さん、八田浩輔さん。製薬企業の社員がデータを操作した疑いが強く、日本の臨床試験のあり方に警鐘を鳴らし、社会的にも大きなショックを与えた。

   書籍部門は特別養護老人ホームに勤務する民俗学者の六車(むぐるま)由実さん。民俗学的な手法で認知症の人の言葉をもとにしたユニークな『驚きの介護民俗学』(医学書院)を出版した。

   映像部門はNHK制作局ディレクターの川村雄次さん。前職・NHK厚生文化事業団で出した「貸し出し型DVD3部作『認知症ケア』」は、日本の介護のやり方の変化や、認知症と診断された人の10年間の変化を追った映像だ。

   特別賞は医薬品・治療研究会(別府宏圀代表)。1986年から発行の『TIP 正しい治療と薬の情報』(現在は電子版)で、国内外の論文や資料をもとに、くわしい薬の効果や副作用情報を伝え続けている。

   優秀賞の一つは、ホスピタリティ☆プラネット主宰の藤原瑠美さん。何度も滞在しての定点観測から、スウェーデンの介護現場や考え方を著書『ニルスの国の認知症ケア』(ドメス出版)で紹介した。

   やはり優秀賞の上原真人さんは沖縄県立八重山病院の麻酔科医。病院や医療の実態を住民に知ってもらおうと、地元の八重山毎日新聞に医療関連の数字をもとに解説する連載をし、著書『八重山病院 データでムヌカンゲー』(ボーダーインク)でまとめた。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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