米ツイッターが2013年11月にもニューヨーク証券取引所に上場する見通しが強まるなか、国内でもスマートフォン向け無料通話やチャットのアプリケーション開発を手がけるLINEの上場が注目されている。
世界的に株式相場の回復が見込まれるなか、米国では2012年に上場したフェイスブックの株価が13年に入って最高値をつけたり、グーグルの株価が初めて1000ドルを超えたりと、インターネット関連企業への投資マネーの流入が増しているだけに、その成り行きが気になるところだ。
「株式上場は選択肢のひとつ」
LINEのアプリは、スマホの利用者同士の無料通話や、メッセージをやり取りしたりする機能が売り物。ツイッターはネット上の掲示板やブログのように自ら書き込んだ情報を外部に発信するのが基本機能だが、LINEのチャットアプリはすでに知っている人とのコミュニケーション・ツール。最近は消費者に直接メッセージを届けられると、マーケティングや広告宣伝手段のひとつとして注目する企業も増えている。
また、LINEを使った無料通話の利用も急増。利用者は国内で4800万人以上、世界全体では2億人を超えている。
収益源は、主にゲーム課金とチャットに使う有料イラスト「スタンプ」の2つ。同社の2013年4‐6月期の業績では、売上高は前年同期と比べて4.5倍の128億円。このうち、基軸となるLINE事業の売上高は97億7000万円(前年同期比66.9%増)で、ゲーム課金が53%、有料スタンプが27%を占めている。
今後はネット通販に参入。収益源を多様化していくことも発表している。
そうした中で、LINEの株式上場をめぐっては2013年10月25日付の日本経済新聞が「LINEが14年夏東証上場へ 時価総額1兆円規模」と報じた。2014年夏をメドに、東京証券取引所に上場する方向で調整。上場で調達する資金は、アプリの開発や広告宣伝費、アジアなど海外事業の強化に投じる、という。
森川亮社長は「LINEが世界共通のコミュニケーションインフラとなることを目指し、まずは年内までに世界3億人以上のユーザーを獲得したい」と意欲的。8月には日本経済新聞に、「上場は選択肢のひとつ」と慎重な姿勢をみせながらも、そう話しており、そう遠くない時機に上場するとの観測が高まっていた。